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斜方投射された物体が原点から一番離れる時刻

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問題

0<Θπ2, v0>0, g>0 が与えられたとき、初速度 (v0cosΘ,v0sinΘ) で原点から投げられた球が、原点と同じ高さの地面へと着弾するまでの過程の中で、原点から一番離れるときを調べたい。つまり、||(tv0cosΘ, tv0sinΘgt22)||0t2gv0sinΘ での最大値を与える t を求めたい。

実験

https://www.desmos.com/calculator/mespzsyhea?lang=ja で試せる。

ゴリ押す

T=v02gsinΘと置くと0t4Tで考えることになる。簡単だが面倒な計算により
ddt(||(tv0cosΘ, tv0sinΘgt22)||2)=g2t((t3T)2T2(98sin2Θ))
が分かる。

0<Θsin1(223) のとき

0<Θsin1(223)=1.230959 であるときはノルム2乗の時間微分は常に非負であり、||(tv0cosΘ, tv0sinΘgt22)||2 が広義単調増加するのだから t=4T のときが最大。

sin1(223)Θπ2 のとき

T±=(3±98sin2Θ)T とおいてやるとノルム2乗の時間微分は g2(tT)(tT+)t と書ける。098sin2Θ1 なのだから必ず 0TT+4T であり、 ノルム2乗は0tT で広義単調増加、TtT+ で広義単調減少、T+t4T で広義単調増加する。ということで T での値と 4T での値を比較すればよい。 T での値と 4T での値が等しくなる条件は 0=g2T4T(tT)(tT+)tdt。ここで Z=2cot2Θ とおくと T±=(3±14Z)T であって、求めるべきは
0=314Z4(u36u2+u(8+4Z))duを満たすZU=314Z とおいたときに U2=6U4Z8 であることに注意して計算すると、

0=(1444243+1242(8+4Z))(14U42U3+12U2(8+4Z))==4Z2+36Z8UZ+2U8=4Z2+36Z+2(314Z)(14Z)8=4Z2+36Z+6(14Z)2(14Z)3/28=4Z2+12Z22(14Z)3/2

したがって 2Z2+6Z1=(14Z)3/2 を解きたい。両辺を2乗して得られるのは
(2Z2+6Z1)2=(14Z)34Z4+24Z34Z2+36Z212Z+1=64Z3+48Z212Z+14Z4+88Z316Z2=04Z2(Z2+22Z4)=0
これの解は Z=0,11±125

ここから、Θ=sin19+5522 のとき t=Tt=4T でのノルムが一致することが分かる。

結論


  • 0Θsin1223なら単調増加性によりt=2v0gsinΘのときが最大
  • sin1223<Θsin19+5522 だと単調増加性はないけどそれでもt=2v0gsinΘのときに最大値をとる
  • sin19+5522Θπ2 だと t=(398sin2Θ)v02gsinΘのときに最大値をとる
投稿日:202126
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hsjoihs
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