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あるsl(2;C)の非可換変形とその表現

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素人考え

ブログは素人で、数学も専門で学んでいないため、
間違えや見にくい表現がありましたら。ご指摘いただければ幸いです。

sl2(C)とその表現

sl2(C)

sl2(C)={Xgl2(C)|tr(X)=0}

sl2(C)は基底e,h,f3つの関係式を持つ、3次元リー環です。
e=(0100),h=(1001),f=(0010)[h,e]=2e,[e,f]=h,[h,f]=2f

表現

sl2(C)は次のような、多項式環C[x]上への表現を持ちます。
λC
πλ(e)=ddx,πλ(h)=2xddx+λ,πλ(f)=x2ddx+λx

多項式環C[x]の基底 {xn}n0に対して、
πλ(e),πλ(h),πλ(f)は次のように作用する。

πλ(e)(xn)=nxn1,πλ(h)(xn)=(λ2n)xn,πλ(f)(xn)=(λn)xn+1

λが非負整数の場合、表現πλ{xn}λn0が生成する部分空間を有限次元既約部分表現として持つ。

以上は参照した(コピペ)(アイディアを得た)この論文より。
http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/~kenkyubu/kokai-koza/H24-arakawa.pdf

sl2(C)の非可換変形

sl2(C)Jの定義

E,H,F,Jを次の関係式を満たす非可換な元とし、
EFFE=JH+HJ2,HEEH=JE+EJ,HFFH=JFFJ
E,H,F,J,1C上生成する。(1はすべての元と可換)
単位結合非可換環をsl2(C)Jと定義する。
J1のときsl2(C)と一致する。
さらに
JHHJ=0を満たすときsl2(C)J,0とする。

sl2(C)Jの表現

表現の定義

sl2(C)Jは次のような、多項式環C[x]上への表現を持ちます。

多項式環C[x]C線形作用素Aを用います。
λC

πλ,A(E)=A
πλ,A(H)=AxxA+λ
πλ,A(F)=xAx+λx πλ,A(J)=AxxA

表現になっているか確認

(1)EFFE=JH+HJ2
(1)の左辺
A(xAx+λx)(xAx+λx)A=AxAx+Aλx+xAxAλxA=xAxAAxAx+λJ
(1)の右辺
12((AxxA)(AxxA+λ)+(AxxA+λ)(AxxA))=12(AxAxAx2A+Axλ+xAAx+xAxAxAλ+(AxAx+Ax2AxAAx+xAxA+λAxλxA))=12(2AxAx+Axλ+2xAxAxAλ+λAxλxA)=xAxAAxAx+λJ

(2)HEEH=JE+EJ
(2)の左辺
(AxxA+λ)AA(AxxA+λ)=AxAxAA+λA+AAx+AxAλA=AAxxAA

(2)の右辺
(AxxA)A+A(AxxA)=AxAxAA+AAxAxA=AAxxAA

(3)HFFH=JFFJ
(3)の左辺
(AxxA+λ)(xAx+λx)(xAx+λx)(AxxA+λ)=(Ax2AxλAx2+xAxAxλxAxλxAx+λ2x)(xAxAx+xAx2AλxAxλxAxλx2A+λ2x)=Ax2AxλAx2xAx2A+λx2A

(3)の右辺
(AxxA)(xAx+λx)(xAx+λx)(AxxA)=(Ax2Ax+λAx2+xAxAxλxAx)(xAxAx+xAx2A+λxAxλx2A)=(Ax2AxλAx2xAxAx+λxAx)+(xAxAxxAx2AλxAx+λx2A)=Ax2AxλAx2xAx2A+λx2A

xAの固有ベクトルが{xn}n0の場合(縮退なし)

A{xn}n0に作用して{anxn1}n0(a0=0)となるとする。
このとき、πλ,Asl2(C)J,0の表現となる。
πλ,A(E),πλ,A(H),πλ,A(F),πλ,A(J){xn}n0に次のように作用する。
πλ,A(E)(xn)=Axn=anxn1πλ,A(H)(xn)=(AxxA+λ)(xn)=(λan+1an)xnπλ,A(F)(xn)=(xAx+λx)(xn)=(λan+1)xn+1πλ,A(J)(xn)=(AxxA)(xn)=(an+1an)xnπλ,A(JHHJ)(xn)=0

sl2(C)J,0の有限次元表現

sl2(C)J,0の有限次元表現

A{xn}n0に作用して{anxn1}n0(a0=0)となるとする。
さらに、 m  λ=am+1であるとき、
πλ,A{xn}mn0が生成する部分空間を有限次元部分表現として持つ。
この有限次元部分表現をPλ,Aとする。

sl2(C)J,0の有限次元既約表現の予想

(1)A{xn}n0に作用して{anxn1}n0となる。
(2)an=0n=0
(3) m  λ=am+1
(4)|an+1||an|であるとする。(|x|は絶対値)
このとき
Pλ,Asl2(C)J,0の有限次元既約表現である。

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Pn,mxk={k=n xmk=m xnkm  kn xkが逆作用素を持つ、線形作用素のため。

形式指標

Pλ,Aにおいて、H,Jは次数を保つか0にする。
Pλ,Aμ,ν={p(x)Pλ,A|Hp(x)=μp(x),Jp(x)=νp(x)}
ch(Pλ,A)=μ,νCdim(Pλ,Aμ,ν)qμpν

交換関係、反交換関係逆転作用素

E,H,F,Jの関係式を
交換関係[A,B]=ABBA,
反交換関係{A,B}=AB+BAを用いて書き直すと、
(1)[E,F]=12{J,H}
(2)[H,E]={J,E}
(3)[H,F]={J,F}
(4)[J,H]=0

となる。
いま(2)(3)の交換関係を反交換関係に、反交換関係を交換関係に変換し、
さらにJHHJに変換させると。
この変換で関係式は不変

あとがきに代えて妄想

妄想
E,H,F,Jの関係式やπλ,Aの式には反交換子が多用されているため。
外積代数上でも表現を持つのではないか?

妄想2
この環やこの環の拡大の表現を用いて、
n=1(1qan)の公式のようなものを作れたら嬉しい。

投稿日:202126
更新日:2023114
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