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大学数学基礎解説
文献あり

z変換:1/n!のz変換を求める。

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目的

  • 1n!z変換を二通りの方法で求める。

1n!z変換

Z[1n!]=e1z(収束領域は|z|>0)

exのテイラー展開

f(x):=exとおく。f(x)0のまわりでテイラー展開して
f(x)=n=0f(n)(0)xnn!ただし、f(n)(x)f(x)n階微分。ここでexは微分しても変化しない性質をもつ。つまりf(1)(x)=ex=f(x)なので
f(n)(x)=exとなる。f(n)(0)=e0=1。よって
f(x)=n=0xnn!ここでx=1zを代入すると、limx0f(n)(x)=limzf(n)(1z)=f(n)(0)なので
f(1z)=n=01n!(1z)n=n=01n!zn=Z[1n!](収束領域は|z|>0)となる。
一方でf(1z)=e1zなので命題が示された。

漸化式をz変換

f(n):=1n!とおくと漸化式
f(n)=1n1(n1)!=f(n1)nが得られる。この漸化式に離散デルタ関数δ(n)と単位階段関数u(n)を使って初期値f(0)=1を埋め込んで
f(n)={1(n=0)f(n1)n(n>0)=δ(n)+f(n1)nu(n1)両辺をz変換する。limn0f(n1)u(n1)=0なのでz変換の積分則を使って
F(z)=1+Z[f(n1)nu(n1)]Z[δ(n)]=1=1+zw1Z[f(n1)u(n1)]dw=1+zw2Z[f(n)u(n)]dwz変換のシフト則=1+zw2F(z)dwただしF(z):=Z[f(n)]。ここで両辺をzで微分して
ddzF(z)=z2F(z)これは変数分離型の微分方程式なので
dF(z)F(z)=z2dzlogF(z)=1z+C0F(z)=e1z+C0=C1e1z(収束領域は|z|>0) ただし、C0,C1は積分定数。
積分定数C1を求める。z変換の初期値の定理からlimzF(z)=f(0)なので両辺のzの極限をとって
f(0)=C1limze1z=C11=C1 f(0)=1なのでF(z)=Z[1n!]=e1zとなり、命題が示された。

参考文献

[1]
小島 紀男, 篠崎 寿夫, Z変換入門, 東海大学出版会
投稿日:2021224
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zeta
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  1. 目的
  2. $\frac1{n!}$$z$変換
  3. 参考文献