本記事では、kkkaaa氏が
2021年1月1日に発表した
次の自作問題を取り扱う。
kkkaaa, 自作問題012
を正整数とする。
の最小値を求めよ。
kkkaaa氏は上記ツイートで数日後にMathlogに解説を投稿すると書いているが、Mathlogにも解説が見当たらない。先日筆者がこの問題を解いたので、本記事で筆者の解を記す。
解
であるから、 の最小値は 以下である。また は正の整数だから
となる。よって は の倍数である。よって
が正の整数解をもたないことを示せば、 の最小値は であることがわかる。以下、このことを示す。
まず、この方程式の正の整数解が存在しない、つまり
となる正の整数 は存在しないことを示す。そこで、そのような が存在するとし、矛盾を導く。実はこの場合が最も難しい。
のとき
このとき
となる。
だから は奇数である。よって
より は偶数である。とくに であるから は の倍数、よって
だから でなければならない。しかし
となって矛盾する。
のとき
は の倍数となるので
である。このことから はともに偶数かともに奇数でなければならない。
かつ がともに偶数のとき
より は の倍数だから は の倍数でなければならない。 だから は の倍数なので
より も の倍数でなければならない。よって
より
となるが、 のいずれかでなければならないから、これは不可能である。
かつ がともに奇数のとき
より は の倍数でなければならないが、 は奇数だから
でなければならない。よって
かつ である。
のとき、
でなければならない。しかし
であるから である。よって となって矛盾する。
のとき
より となる。
のいずれかでなければならないが、先に述べたように のいずれかでなければならないから、これは矛盾である。
これらのことから、どの場合にも矛盾をきたすので、
となる正の整数 は存在しないことがわかる。
のとき
なので は偶数で は奇数でなければならない。しかし となるので
より となって矛盾する。
のとき
なので は奇数で は偶数でなければならない。しかし となるので
より となって矛盾する。
これらのことから、 となる正の整数 は存在しない。
このとき
なので は奇数で は偶数でなければならない。よって
だから である。よって
となる。 は明らかだから
となるので
より となる。とくに は偶数なので である。しかし なので である。さらに は奇数なので
となり、矛盾する。
のとき
だから
より は の倍数である。よって なので
より だから つまり となり、 が正の整数であることに反する。
のとき
なので は偶数で は奇数でなければならない。
より は の倍数である。よって より
だから でなければならない。とくに は奇数なので である。しかし だから、先程と同様に
となり、矛盾する。
結局、
はいずれも矛盾に至るから、 の最小値は であることが示された。