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logxのn乗の積分をラクに!

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前談

logの積分といったら厄介なイメージがあると思います。logはすごく積分しにくい関数で、ただのlogxの積分ですら部分積分が必要となりますよね。

そんなlogの積分は面倒なのでlogxくらいは暗記している方も多いかと思いますが、今回は、それを更に(logx)^nとして一般化していきたいと思います。

なお、この記事では不定積分の結果の積分定数Cは省略します。

本題

導入

まずはlogxの積分をしっかり一から確認しましょう。今回は部分積分を用いた方法にします。
logxdx=x0logxdx=(x)logxdx=xlogxx(logx)dx=xlogxx1xdx=xlogxx

少し丁寧すぎるかもしれませんが、どうせ後で一般化するので、これくらいでもいいですかね。これをそっくりそのままn乗に応用したいと思います。

一般化

(logx)ndx=x0(logx)ndx=(x)(logx)ndx=x(logx)nx((logx)n)dx=x(logx)nxn(logx)n1(logx)dx=x(logx)nxn(logx)n11xdx=x(logx)nn(logx)n1dx

一旦ここで整理すると、以下の等式が出てきましたね。

(logx)ndx=x(logx)nn(logx)n1dx

ここで(logx)n1という、はじめの形から次数が一つ下がった形がでてきましたね。つまり、上の式のnを全てn-1に変えると、
(logx)n1=x(logx)n1(n1)(logx)n2dx
となり、これを元の式に代入すると

(logx)ndx=x(logx)nn{x(logx)n1(n1)(logx)n2dx} =x(logx)nnx(logx)n1+n(n1)(logx)n2dx
ここでまた(logx)n2が出てきたので、同様の操作をしましょう。

(logx)n2dx=x(logx)n2(n2)(logx)n3dx
を代入すると、
(logx)ndx =x(logx)nnx(logx)n1+n(n1)(logx)n2dx=x(logx)nnx(logx)n1+n(n1){x(logx)n2(n2)(logx)n3dx}=x(logx)nnx(logx)n1+n(n1)x(logx)n2n(n1)(n2)(logx)n3dx

ここまで来ると最早一般化できましたね。同様の作業を繰り返していけばよいだけです。シグマを使って式に表すと以下のようになります。

(logx)ndx=xi=0n(1)inPi(logx)ni

文字に起こすと難しそうかもしれませんが、感覚的にはすごく覚えやすい公式だと思います。僕自身、数検を受ける際は、この公式はすごいリズミカルなので、なんとなく覚えてしまいました。

最後に

この記事を書くのは、細かい符号等、入力がすごく大変でした…。なにか符号ミス等あれば、ぜひコメント等で教えていただきたいです。最後まで見ていただきありがとうございました。

今回の公式は、覚えていると楽!というほどのものでもないかもしれませんが、(logx)2の積分くらいは部分積分や合成関数の積分の練習もかねて出るかもしれませんね。それか、積分の漸化式という形で今回の積分はでてくるかもしれません。しかし、大切なのはそれではありません。大切なのは公式を導出するプロセスです。この公式を自力で作ることができれば、logの積分どころか、部分積分や合成関数の積分もかなり理解しているということになります。一度自分の手で今回の式を出してみるのも、良い練習になるかもしれません。

投稿日:2021226
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投稿者

Shuhei
Shuhei
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現在15歳。 中三で数検準一級取得。 今は代数学に興味があります。群論はやってるとわけわかんなくなってくる…

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