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関数の収束に関する面白い問題

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Twitterで次のような問題を見かけて解いたのですが、見かけによらず難しかった(そして面白かった)ので、忘れないうちに解法を書いておこうと思います.

連続関数$f\colon \mathbb{R}\to \mathbb{R}$が任意の$\delta>0$に対して$\lim_{n\to \infty}f(\delta n)=0$を満たすとき、$\lim_{x\to \infty}f(x)=0$を示せ.

$\lim_{x\to \infty}f(x)=0$でないと仮定して矛盾を導く.仮定よりある$\varepsilon>0$が存在して以下が成り立つ:

  • 任意の正整数$N$に対して$2N< a_N< b_N$なる実数$a_N,b_N$が存在し、$x\in (a_N,b_N)\implies |f(x)|\geq\varepsilon$となる.

ここで$\mathbb{R}$の空でない開区間の減少列$C_1\supset C_2\supset \cdots$を次のように帰納的に定める.$C_1=(1,2)$とする.$C_n=(c_n,d_n)$まで定まっているとき、
$$ \frac{c_n}{d_n}<\frac{N}{N+1}<1 $$
となる$n$以上の整数$N$のうち最小のものを取る.すると
$$ \dfrac{a_N}{N},\dfrac{a_N}{N+1},\dfrac{a_N}{N+2},\cdots $$
の隣り合う項の比は$\dfrac{c_n}{d_n}$より大きく、$\dfrac{a_N}{N}>2\geq d_i$なので、これらの中に$C_n$に属するものが存在する.そこで$\dfrac{a_N}{M}\in (c_i,d_i)$となる$N$以上の整数$M$のうち最小のものを取り
$$ C_{n+1}=\left(\dfrac{a_N}{M},\dfrac{\dfrac{a_N}{M}+\min\{\dfrac{b_N}{M},d_n\}}{2}\right) $$
と定める.

構成より$C_{n+1}$の閉包は$C_n$に含まれるので、閉区間のコンパクト性より$\bigcap_{n=1}^\infty C_n\neq \emptyset$である.構成より任意の$\delta\in \bigcap_{n=1}^\infty C_n$は次の性質を満たす:

  • 任意の正整数$n$に対してそれよりも大きい正整数$M$が存在し、$|f(\delta M)|\geq \varepsilon$となる.

これは問題の仮定に反している.

投稿日:2021227
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J_Koizumi
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