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東大数学2021を実況する

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はじめに

この記事では, 先日の, 東大数学2021を解いたときの頭の中の考え方を書いてみようと思います.

巷では東大らしからぬ問題だと言われていますね... 私もそう思いました🤔 まあでも出てしまったものは仕方がないので, 解くことにしましょう.

ちなむと, 私の点数は(論理で減点が多くなければ), [4]の(3)落としの100点くらいかなと思います. (得点開示でもっと低かったらごめんなさい😭)

時間配分は30/20/17/30/25/28 という感じでした.

それと先に言っておきたいのですが, 前回の記事で「計算するだけですね」などと申し上げましたが, 本番ですと緊張感が段違いなんですよね😱 軽はずみな発言は慎もうと思います...

では, 始めようと思います.

第1問


a,bを実数とする. 座標平面上の放物線
C:y=x2+ax+b
は放物線y=x22つの共有点をもち, 一方の共有点のx座標は1<x<0を満たし, 他方の共有点のx座標は0<x<1を満たす.

(1)(a,b)のとりうる範囲を座標平面上に図示せよ.

(2)放物線Cの通りうる範囲を座標平面上に図示せよ.

なるほど... なんかまずは典型問題って感じがしますね🤔 とりあえず(1)は辺々引いてf(x)とかとおいて, 解の配置でf(1)>0,f(0)<0,f(1)>0で終わりですね.

(2)は, あれれ...結構めんどくさくないですか??😢 逆像法的にやるのかなと思ったのですが場合わけの記述が面倒です...

でも求める範囲は, まあたぶん下の3通りが境界線になってるでしょうから, 地道にがんばりますか...

第1問 第1問

(とかいいつつ1回飛ばしてから戻ってきました...) 逆像法ちっくに, (1)(a,b)の範囲と, ab平面の直線b=xax2+yが共有点を持つx,yの条件, で解きました! x<0の部分はどうせ対照なので省略できます!

と, いうことで一応答えは出せましたが30分くらいかけちゃいました...😖

第2問


複素数a,b,cに対して整式f(z)=az2+bz+cを考える. iを虚数単位とする.

(1)α,β,γを複素数とする. f(0)=α,f(1)=β,f(i)=γ が成り立つとき, a,b,cをそれぞれα,β,γで表せ.

(2)f(0),f(1),f(i)がいずれも1以上2以下の実数であるとき, f(2)のとりうる範囲を複素数平面上に図示せよ.

むむ... これもなんかよくわからない問題ですね🤔 そもそも(1)はただの連立方程式なんですけど...🙄 (このへんで, 今年はなにかがおかしいことに気づいてきました)

ということで(2)は, (1)の答えを代入すると
f(2)=(12i)α+(3+i)β+(1+i)γ
なので, 1α,β,γ2と動いた時のこれの値域を求めれば良いですね. こんなものはf(2)=x+yiとおいてベクトル的にやるのが良いです😤 誰かさんが仰っていたように, この問題は「複素数の無駄遣い」ですね...😖

さらに分かりやすいように, α=1+α等とおくことで, 0α,β,γ1とできて, (こういうのも大事ですよね)
(xy)=(10)+α(12)+β(31)+γ(11)
となります. ここでγを固定すれば, これは点(1γ,γ)を始点としてベクトル(12),(31)の張る平行四辺形の内部となりますね. さらにγを動かすと始点が(1,0)から(0,1)と直線的に動くので, 以下のようだとわかりました🥰 箱みたいで面白いですね!😳

第2問 第2問

第3問


関数
f(x)=xx2+3
に対して, y=f(x)のグラフをCとする. 点A(1,f(1))におけるCの接線を
:y=g(x)
とする.

(1)Cの共有点でAと異なるものがただ1つ存在することを示し, その点のx座標を求めよ.

(2)(1)で求めた共有点のx座標をαとする. 定積分
α1{f(x)g(x)}2dx
を計算せよ.

わぁ, なんか定期試験にありそうな問題です...🤭 (2)は単純計算するしかなさそうですし...

まあ(1)は†計算するだけ†ですね. g(x)=18(x+1)で, α=3です.

ところが(2)も†計算するだけ†ですね... これは怖かったので私は1回飛ばしました...😖

とりあえず(1)の流れからいくとまず通分してf(x)g(x)=(x1)2(x+3)8(x2+3)としたくなりますが, これは罠です!!! これだと2乗したあとに次数下げが面倒なだけなので, 通分しないで2乗すると良いです☺️ あとはもう自分の計算力を信じるしかないですね💪

第4問


以下の問いに答えよ.

(1)正の奇数K,Lと正の整数A,BKA=LBを満たしているとする. K4で割ったあまりがL4で割った余りと等しいならば, A4で割った余りはB4で割った余りと等しいことを示せ.

(2)正の整数a,ba>bを満たしているとする. このとき, A=4a+1C4b+1,B=aCbに対してKA=LBとなるような正の奇数K,Lが存在することを示せ.

(3)a,b(2)の通りとし, さらにab2で割り切れるとする. 4a+1C4b+14で割ったあまりはaCb4で割った余りと等しいことを示せ.

(4)2017C374で割った余りを求めよ.

難しそうな整数問題です...! でも(4)は割と面白そうなので, やっていきましょう.

まあ(1)KL1のときは自明で, KL3のときは4A4Bを辺々引けば良いんですかね〜🤔

(2)は, わあ, 難しいです......😖 とりあえず1回飛ばして戻ってきて考えたら, BAABの両辺を2で何回か割ってBKに, ALになれば良さそうなので, やっぱり2で割れる回数が同じなんですかね...

そしたら例の, n!が素数pで割れる回数はk=0npk だっていうやつを使えば良いんですかね〜, Cは!で表せますからね.

(3)は本当に, I have no idea です...😖 10分くらい考えましたがわかりませんでした😢 (未だに分かりません...) 後から聞いたところによると, 2で割れる回数と違う考え方をしないといけないようですね〜.

あとはもう(4)は答えだけ書いて点数をもらいにいきました.

第5問


αを正の実数とする. 0θπにおけるθの関数f(θ)を, 座標平面上の2A(α,3),P(θ+sinθ,cosθ)間の距離AP2乗として定める.

(1)0<θ<πの範囲にf(θ)となるθがただ1つ存在することを示せ.

(2)以下が成り立つようなαの範囲を求めよ.

0θπにおけるθの関数f(θ)は, 区間0<θ<π2のある点において最大になる.

これは... なんなんですかね🤔 とりあえず(1)は微分する以外に示しようがないですよね...

(1) 面倒な式は書きませんが, 計算すると以下の表のようになりました. (fの時点でうまくいきそうになかったのでfまでやりました) (+)は正の値, (-)は負の値を表します.

0π2π
f(+)0
f0(-)(+)
f(-)0(+)

fの符号から, f0から負になってから正になるので, ただひとつf(β)なるπ2<β<πがありますから, 以下のようになります.

0π2βπ
f(+)(-)0
f0(-)0(+)
f(-)(-)0(+)(+)(+)(+)

なので, 0βの間でf0となるっていうことですね.

(2)fが単調な感じなので, f(π2)<0っていうだけですね. あっけないです🤭

ちなみにこの問題, 図形的にも理解することができます! Pの軌跡はサイクロイドになり, f=0というのはAPの距離の停留点ですので, APPでのサイクロイドの法線になっているんですね.

つまり(2)αの境界は, サイクロイドのθ=π2の点での法線とy=3の交点になっているというのが種明かしでした!😚

第6問


定数b,c,p,q,rに対し,
x4+bx+c=(x2+px+q)(x2px+r)
xについての恒等式であるとする.

(1)p0であるとき, q,rp,bで表せ.

(2)p0とする. b,cが定数aを用いて
b=(a2+1)(a+2),c=(a+34)(a2+1)
と表されているとき, 有理数を係数とするtについての整式f(t)g(t)
{p2(a2+1)}{p4+f(a)p2+g(a)}=0
を満たすものを1組求めよ.

(3)aを整数とする. x4次式
x4+(a2+1)(a+2)x2(a+34)(a2+1)
が有理数を係数とする2次式の積に因数分解できるようなaをすべて求めよ.

これもよくわからないですね...🤔 まあ(3)が少し面白い結果になるのでしょうか.

とりあえず(1)は係数比較でq=12(p2bp),r=12(p2+bp)ですね.

(2)は, え, どういうことですか???😖 まずなんでp2(a2+1)がついてるのかわかんないのですが...🤔

あ, しばらく考えたら分かりました! b,caで定めたので, それを一番最初の式に代入して, paの関係式を出せっていうことなんですかね! そしたら(1)で使わなかった定数項の比較から, c=qr にいろいろ代入すれば
(4a+3)(a2+1)=p4b2p2
となってp6次式が出てくるので, これが問題分のように因数分解できるんですね〜🤔 すこし求められていることを忖度しないといけませんでした😔

(3)はあとは, (2)の式のaが整数, pが有理数である解を見つけるということですね〜. なかなか難しそうです😖

と思って戻ってきたら, 2つめの因数は常に正ではないですか!!!そうすると1つめの方の解で, a=0だけしかないですね... あ, p=0のパターンも, と思ったらそれはb=0a=2なのでx4+254になって明らかにできないですね...

じゃあやっぱり答えはa=0だけなのでしょうか?不安でしかたありません...😢

おわりに

今回は結構長くなってしまいました😖

問題は, ほんとうに定期試験のような問題が多くて🤔🤔🤔でしたね... 面白さがあんまりなかったです.

それと, どの大問も(1)がめちゃくちゃに簡単なので([5]を除く), 低得点層の方にとっては易化, 高得点層にとっては難化っていう感じですかね〜🤭

まあ, もう入試は終わったことですし, 特例追試の問題でも楽しみにしながら, 今回はこのへんで終わろうと思います.

ここまで読んで下さった方, ありがとうございました.

投稿日:2021228
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