この記事では今年の東大入試問題を起点に二項係数
さて今年の東大入試では第4問に次のような問題が出たとのことでした。
以下の問いに答えよ。
(1) 正の奇数
(2) 正の整数
(3)
(4)
(1)は
という話で、(4)は(3)から
という単純な話ですが気になるのは(2)と(3)です。(2)はひとまず置いておくとして(3)を見て私はまずLucasの定理が頭に浮かびました。
素数
とおくと
が成り立つ。ただし
しかしLucasの定理からわかるのは
であって法
Andrew Granville has given a generalization of Lucas's theorem to the case of p being a power of prime.
(Andrew GranvilleはLucasの定理の素数冪を法とした場合への一般化を与えました。)
とあったので早速そのリンク先を見てみることにしました。
証明は後にするとしてまずはAndrew Granvilleの得た結果と先の問題への応用を見てみましょう。
以下
とおき、
例えば
と
これは最初に挙げた問題の(2)に有効です。具体的には
とおくと
となるので
について
次に一般化Lucasの定理を紹介しますが、その前に特殊な階乗を定義しておきます。
素数
と定める(ただし
とも表せることに注意する。
とおく。
と定める。このとき
が成り立つ。
一般化Lucasの定理を
となり、特に全ての
とLucasの定理を得る。
例えば
および
(途中
のように
これは(3)に有効です。具体的には
とおくと一般化Lucasの定理より
が成り立ち、
ひいては
を得る。といった具合に示せます。
より
が成り立つので通常のLegendreの公式から
を得る。
いま
が成り立つので(
を得る。
と主張を得る。
の各因子
であって、
この記事
でも紹介したように合同方程式
で尽くされるので
を得る。
と主張を得る。
および通常のLegendreの公式より
と変形できるので補題7より
であり補題5より
を得る。