少し前に立てた予想について, 書きたいと思います.
任意の上半平面上の複素数$\alpha$と正の実数$\beta$に対し,
$$\begin{eqnarray*}
\frac 1{2\pi i}\int_{-\infty}^{\infty}(x-\alpha)^{s-1}e^{i\beta(x-\alpha)}\,dx=\frac{(i\beta)^{-s}}{\Gamma(1-s)},\quad(\Re s\lt 1)
\end{eqnarray*}$$
が成り立つ. ここで, 対数関数の主値は, $-\pi\lt x\lt \pi$に対し, $\ln e^{ix}=ix$となるように取るものとする.
どういう経緯でこの予想に至ったかというと, まず留数定理から, 予想の条件のもとで, $s=0$の場合
$$\begin{eqnarray*}
\frac 1{2\pi i}\int_{-\infty}^{\infty}\frac {e^{i\beta x}}{x-\alpha}\,dx=e^{i\alpha\beta}
\end{eqnarray*}$$
が成立します. この両辺を$\alpha$について, $n$階微分することにより,
$$\begin{eqnarray*}
\frac 1{2\pi i}\int_{-\infty}^{\infty}\frac {e^{i\beta x}}{(x-\alpha)^{n+1}}\,dx=\frac{(i\beta)^n}{n!}e^{i\alpha\beta}
\end{eqnarray*}$$
となって, 予想は$s=-n$の場合に成立します. これを見て, なんとなくガンマ関数的な印象を受けたので, $n$を連続変数にしてみると, なかなかいい感じにまとまりました. $x-\alpha$の位数が整数階ではないので, 留数定理が使えないような気がして, なかなか難しそうです. あってるかどうかについてはそれほど確信がありませんが, 何かいい感じの方法があれば教えて下さい.