2つの実数 $x,y$ がともに正である条件は $x+y$ と $xy$ がともに正であることだが、
3つに拡張して実数 $x,y,z$ に関して
$x+y+z$ と $xy+yz+zx$ と $xyz$ が全て正であれば $x,y,z$ は全て正と言えるか?
この予想が以下の一般的な形で解決された:
$n$ を正の整数とする. $i=0,...,n$ に対して $e_i(x_1,...,x_n)$ を $i$ 次の基本対称式とする.
$\alpha_1,\dots,\alpha_n$ を実数とする. このとき, 次は同値である.
(R1) 任意の $i=1,\dots,n$ に対して $e_i(\alpha_1,\dots,\alpha_n)>0$
(R2) 任意の $i=1,\dots ,n$ に対して $\alpha_i>0$ であることは同値である.
証明[@zunda1st, @iMac_perfectのアイデア]
(ii)$ \Longrightarrow $ (i) は明らかである.
(i)$ \Longrightarrow $ (ii) を示す.
(i)を仮定する.
$f(x):=(x-\alpha_1) \cdots (x-\alpha_n)$ とおく.
$\displaystyle f(x)=\sum_{i=0}^n (-1)^{n-i} e_i(\alpha_1, \cdots, \alpha_n) x^i$ が成り立つことから, $x<0$ において 右辺の各項の符号は $(-1)^n$ と等しいことがわかる.
したがって $x<0$ において $f(x)$ の符号は $(-1)^n$ と等しく, 特に $f(x) \not = 0$ である.
各 $i=1,\dots, n$ に対して $f(\alpha_i)=0$ であることに注意すると (ii) が従うことがわかる.