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本日の積分(2020年11月7日)解答

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$$\newcommand{C}[0]{\mathbb{C}} \newcommand{div}[0]{\mathrm{div}} \newcommand{division}[0]{÷} \newcommand{grad}[0]{\mathrm{grad}\ } \newcommand{N}[0]{\mathbb{N}} \newcommand{Q}[0]{\mathbb{Q}} \newcommand{R}[0]{\mathbb{R}} \newcommand{rot}[0]{\mathrm{rot}\ } \newcommand{Z}[0]{\mathbb{Z}} $$

次の問題の略解を示しておきます。

$A$$n$次正値実対称行列とするとき

$\displaystyle\int_{\mathbf{R}^n} \exp(-(x,Ax))dx $

を求めよ。ただし(・,・)は${\mathbf{R}^n}$の標準内積である。」

【略解】$A$は実対称行列なので適当な直交行列$P$で対角化することができ、その固有値$\lambda_1,\lambda_2,・・・,\lambda_n $は実数である。さらに正値であることから固有値$\lambda_1,\lambda_2,・・・,\lambda_n$はすべて正である。

$PA{^t\!P}=\mathrm{diag}(\lambda_1,\lambda_2,・・・,\lambda_n)=\Lambda$とすると

$\exp(-(x,Ax))=\exp(-(x,{^t\!P}\Lambda Px))=\exp(-(Px,\Lambda Px))$

となるので $y=Px$と変数変換すると

$P$が定める$\mathbf{R}^n$の線形変換は同型写像であり、$\det(P)=±1$であることから$dy=dx$である。

このことから問題の積分は

$\displaystyle\int_{\mathbf{R}^n} \exp(-(y,\Lambda y))dy$

と書き換えられる。

ここで

$\displaystyle(y,\Lambda y)=\sum_{i=1}^{n}\lambda_i {{y_i}^2}$より

$\displaystyle\exp(-(y,\Lambda y))=\prod_{i=1}^{n}\exp(-\lambda_i {{y_i}^2}) $となるので

$\displaystyle\int_{\mathbf{R}^n} \exp(-(y,\Lambda y))dy= \int_{\mathbf{R}^n} \prod_{i=1}^{n}\exp(-\lambda_i {{y_i}^2}) dy= \prod_{i=1}^{n}\int_{-\infty}^{\infty}\exp(-\lambda_i {{y_i}^2}) dy_i$

ここで$\lambda>0$に対して

$\displaystyle \int_{-\infty}^{\infty}\exp(-\lambda y{^2}) dy=\sqrt{\frac{\pi}{\lambda}}$

であることと$\lambda_1\lambda_2・・・\lambda_n=\det(A)$に注意すれば、求める積分値は

$\displaystyle\frac{{\pi^{n/2}}}{\sqrt{\det(A)}}$となる。

投稿日:2020117
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PCを持っておらずiPadで書いている為見づらいかもしれませんが、ご容赦ください。横浜市立大学理学部数理科学科卒業。東京大学大学院数理科学研究科修士課程終了。

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