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大学数学基礎議論
文献あり

単調収束定理の証明についての質問

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非負の単調増加列における単調収束定理の証明について,参考文献に載っている証明とは異なる,より簡単な証明を思いついたのですが,どこか誤りがあるような気がして不安になっています.内容としては,上に有界な単調列が収束する,という定理の証明の系という感じです.
もし誤りがあるのでしたら,どなたか教えていただけないでしょうか.逆に正しい場合には,正しそうだと教えていただけないでしょうか.

「非負関数列の単調収束定理」
可測関数列 ${f_n}$が, $f_n\geq0,f_n\uparrow f  \mathrm{a.e.}$を満たすならば,$$ \lim_{n \to \infty} \int_X f_n d\mu = \int_X f d\mu$$
が成り立つ.

[私の思いついた証明]
$\mathrm{sup}f_n = f$なので,任意の$\varepsilon>0$に対して,ある自然数$N\in \mathbb{N}$があって,$f_N>f-\varepsilon$が成り立つ.よって,$n>N$ならば,$f_n$は単調増加列なので,$\varepsilon>f-f_n\geq0$が成り立つ.したがって,Lebesgue積分の単調性と線形性から,
$$\varepsilon \int_X d\mu > \int_X f d\mu - \int f_n d\mu \geq0$$
が成り立つ.$\varepsilon>0$は任意なので,
$$ \lim_{n \to \infty} \int_X f_n d\mu = \int_X f d\mu$$
が成り立つ.□

参考文献

[1]
相川弘明・小林政晴, ルベーグ積分 要点と演習
投稿日:202136

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ytwt
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