ここでは次のような問題を扱う。
Q1Question
今回の場合は、Yesである。下の図のような直線が引けるのだ。
Q2Answer
しかし、次のような場合はNoである。
Q2
証明をしようとすると少し手間が必要なのだが、その手続きをより統一化していくと、連分数にまでつながる考え方となる。今回はそれについてを述べていく。
この問題において重要なのは、直線の傾き
問題を満たすような直線が
a_nExplain
直線の通る
ここで
となり、
ここで
となっている。
何が起こっているのか、図で確認してみよう。
anbn
左図の
ここで重要な事実が分かった。黄色の正方形を先ほどのように数列
正方形列
補題の対偶をとると、面白いことがわかるだろう。つまり、正方形列
補題1を用いて、問2を解決してみよう。まず正方形列
となる。これでは簡略化できないので、
となる。ここで補題1を用いて、
と簡略化できる。ここでまた
となる補題1より
補題1より
この正方形列を通る直線は存在しない。
Q2Simple
この証明は非常に簡潔である。
この手順をまとめてみよう
ただし、4.で直線が存在した場合に、補題1より、元の正方形列に対しても直線が存在するとわかる(つまり直線の存在が二つの正方形列で同値)。そのため、この操作は直線が存在することと、存在しないこと両方の証明に用いることができるのだ。実際に問1でもやってみよう(先ほどの手順を少し改善できる)。
問1の正方形列は
手順1より
手順2より
手順1より
ここで問題が生じる。
ここである技術をご紹介しよう。正方形列の最終項に新たな正方形を加えて、直線の通るべき正方形を増やすという方法だ。この新しい正方形列を通る直線が存在するならば、当然ながら元の正方形列も通っている。従って、追加された正方形列に対して直線が存在することは、元の正方形列に対して直線が存在することの十分条件なのである。ここで気になるのは逆の成立だが、こちらも条件を課せば成立していることが補題2により保証される
正方形列
このとき正方形列
まず
次に
である(さもなくば直線はこの正方形列全てを通らない)。また、
である。(
となるため、正方形の個数は
これを使ってみる。行き詰っていたのは
であった。補題2を利用すれば、直線の存在が同値な正方形列は
となり、
手順1と2を交互に進めていけば
が得られる。
問1が肯定的に解決されたところで、ある疑問が残る。すなわち、どのような直線が問1を満たすのかということだ。
ここで補題1を思い出していただきたい。補題の核となる事実は
という部分である。ここで手順1で行ったことは、
手順1においては、
これらのことを踏まえて、問1の直線(すでに書いているが
となる。正方形列
となる。ここで
と求められた。