この記事は, 大学受験の数学の問題を解く際の助けにと思って書いた, 高校数学のお話です. 従って, 少し簡単であったり, 非厳密であったり, 他のサイト等と被っていたりするかもしれませんが, ご容赦ください.
少し感覚的なお話をしていきます. (個人的な捉え方ですので厳密さを欠いているかもしれません.)
従って, 例えば
では次に,
ここでいきなりですが,
これは, 微小量の比
これを用いると,
のように書くことができます.
即ち,
いま1つの文字と言いましたが, これを本当に1つの別の文字で置き換えるというのが, まさに置換積分の考え方です.
先の問題で
となります. ここで, この式と前の式を見比べてもらえばわかるように, これらは, やっていることは全く同じなのです.
より一般的に言えば,
と帰着している, と捉えられるのです. (この場合は
もう一つ例を出すと,
と書くことができます.
まとめると, 置換積分は, 何か仰々しいことを行っているようですが, 実はただ単に, 上のような方法で1文字と思ったまとまりに違うお名前をつけてあげた, というだけなのです.
従って, もちろん置換をして複雑な関数をまとめることで見通しが立ちやすくなる側面もありますが, 逆に無駄に文字が増えてしまったり, 置換のステップが面倒になったりしてしまいます. 上で見たように置換は本当にただの置き換えですので, 試験での「置換積分」のステップはうまく省略することができます.
また, 置換が置き換えに過ぎないということを知っていれば, 変に置換をしてもうまくいく可能性は低いということもわかるでしょう.
ではまず, 簡単な置換積分について, 省略する方法(というより, 本質的には何をしているのか)を見ていきましょう. 以下, 積分定数は省略します.
次に, 有名置換と呼ばれていて, 知らないとできないと言われている置換について説明していきます. (まあ積分なんて全部, 知らないとできないと思いますが.)
これらは今までやってきた,
しかし, 実はこれらは同じことです. それは, 逆関数を考えればわかります.
関数
つまり,
すると,
また, これらの微小変化の関係は,
これも同様です.
関数
例えば,
すると
この関数は,
関数
以上より,
全く同様にして,
ここまで読んでくださった方, どうもありがとうございます.
置換積分の感覚的な捉え方と, 本質的な意味について, うまく説明できていたらうれしいです.
また, 後半は所謂"有名置換"の解説(?)をしました. なぜその置換でうまくいくのか, という理由を伝えられていたら幸いです.
最後に, 置換積分はだめだ, と言っているみたいになってしまいましたが, 全くそんなことはありません. 複雑な時には文字を置き換えて単純にする, というのはとても大事なことだと思います.
これからも楽しく積分していきましょう!
では, どうもありがとうございました.