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大学数学基礎解説
文献あり

びぶんせきぶん

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微積の授業で習った定義や定理を復習がてらにメモっただけです.ほぼ自分用です.証明や具体例はほとんどすっとばしているクソ記事です.気が向いたら書きます.これから追記していきます.

実数の連続性

上界,下界,上限,下限,最大値,最小値

(R)Eとする.

  • E上に有界defMR[xExM]
  • E下に有界defMR[xExM]
  • ARE上界defAが「xExA」を満たす
  • ARE下界defAが「xExA」を満たす
  • Eが上に有界のとき,Eの最小上界をE上限といい,supEと書く.
  • Eが上に有界でないときはEの上限は+と定める.
  • Eが下に有界のとき,Eの最大下限をE下限といい,infEと書く.
  • Eが下に有界でないときはEの下限はと定める.

実数の連続性

Rの空でない部分集合に関して,上に有界ならば上限が存在する.

数列の極限

数列の極限

limnan=bdefϵ>0,n0N[nn0|anb|<ϵ]

極限の基本性質

limnan=a,limnbn=bとする.
(1) limn(an±bn)=a±b
(2) limnanbn=ab
(3) limnanbn=ab(b0)
(4) anbnならばab

はさみうちの定理

ancnbnlimnan=limnbn=aならばlimncn=a

関数の極限

関数の極限

limxaf(x)=bdefϵ>0,δ>0[0<|xa|<δ|f(x)b|<ϵ]

極限の基本性質

limxaf(x)=l,limxag(x)=mとする.
(1) limxa(f(x)±g(x))=l±m
(2) limxaf(x)g(x)=lm
(3) limxaf(x)g(x)=lm(m0)
(4) f(x)g(x)ならばlm

はさみうちの定理

f(x)h(x)g(x)limxaf(x)=limxag(x)=lならばlimxah(x)=l

逆関数

逆関数

関数f(x)が区間Iにおいて,各y0{f(x)|xI}に対して,y0=f(x0)を満たすx0Iがただ一つ存在するとき,このような{f(x)|xI}からIへの対応をf1とすると,f1は関数となる.このようなf1f逆関数という.

関数の連続性

連続関数

関数f(x)が,x=aで連続deflimxaf(x)=f(a)即ちϵ>0,δ>0[0<|xa|<δ|f(x)f(a)|<ϵ]

微分法

微分の定義

微分係数I
  1. y=f(x)が,x=x0で微分可能def(*)limxx0f(x)f(x0)xx0(R)
  2. (1)のとき(*)をf(x0)と書き,「f(x)x=x0における微分係数」という.
微分係数II

y=f(x)が,x=x0で微分可能def実数αRが存在して次式が存在する.
f(x)=f(x0)+α(xx0)+ϵ(x)(limxx0ϵ(x)xx0=0)

そして,このときαf(x0)と書き,f(x)x=x0における微分係数と呼ぶ.

逆関数の微分法

y=f1(x)dydx=1dxdy(dxdy0なる点で)=1f(y)=1f(f1(x))

Leibniz の公式

{f(x)g(x)}(n)=r=0nnCrf(r)(x)g(nr)(x)

平均値定理

関数f(x)[a,b]で連続かつ(a,b)で微分可能ならばf(b)f(a)ba=f(c)を満たすc (a<c<b)が存在する.

l'Hospital の定理
  1. limxaf(x)=limxag(x)=0 (or±).

  2. aの除外近傍で,g(x)0
    limxaf(x)g(x)=l([,]).

(1), (2) が成立するとき
limxaf(x)g(x)=l.

Maclaurin の定理

f(x)x=0の近傍でn回微分可能ならば
f(x)=k=0n1f(k)(0)k!xk+Rn
但し
Rn=f(n)(c)n!xn(0cx).

このときnRn0になるとき Maclaurin 展開になる.

Taylor の定理

f(x)x=aの近傍でn回微分可能ならば
f(x)=k=0n1f(k)(a)k!(xa)k+Rn
但し
Rn=f(n)(c)n!(xa)n(acx).

このときnRn0になるとき Taylor 展開になる.

整級数

整級数

(an)nN0を実数列,aを実数とする.このとき
n=0an(xa)n
の形の関数をx=a中心の整級数という.

整級数が収束するxRの範囲を(その整級数の)収束域という.

以下では,簡単の為(X=defxaと置き換えることにより)x=0中心の整級数を扱う:
n=0anxn

このとき,次が成り立つ.

x=0中心の整級数に関し,次の3つの場合のみ起こる.
(R1) x=0のみで収束
(R2) xRで収束
(R3) あるr>0が存在し「|x|<rで収束かつ|x|>rで発散」

[注] (iii) の場合,x=±rで収束するか発散するかは個々の整級数に依る.

収束半径

x=0中心の整級数に関し,収束域をA(R)として,
l=defsup{|x|:xA}([0,+])
を,収束半径という.

項別積分・項別微分

n=0anxn:収束半径l0の整級数

  1. (項別積分) |x|<lに対し
    0xn=0antndt=n=00xantndt(=n=0ann+1xn+1)
    しかも,最右辺の整級数の収束半径もlとなる.従って項別積分は何回でも行える.
  2. (項別微分) |x|<lに対し
    ddxn=0antn=n=1ddxantn(=n=0nxn1)
    しかも,最右辺の整級数の収束半径もlとなる.従って項別微分は何回でも行える.

ある関数f(x)が,x=0中心の(収束半径0の)整級数で表せるとき,それは Maclaurin 展開となっている.すなわちその表現は一意である.

f(x)は各x(|x|<l)に関し何回でも項別微分可能であることを用いる.
f(n)(0)=n!anan=f(n)(0)n!.
これは Maclaurin 展開である.

積分法

Riemann 積分

Riemann 積分

f(x)を有界閉区間[a,b]上の実数値関数とする.このとき[a,b]の分割Δ
Δ:a=x0<x1<<xm=l
に対し,
|Δ|=defmax1in(xixi1)
とおく.

各小区間[xi1,xi] (i=1,,n)の中に,任意に一点ξi (ξ=(ξi)iN+)をとって,作った和
S(f,Δ,ξ)=defi=1nf(ξi)(xixi1)
分割Δ,代表点ξに関するfの Riemann 和という.

[a,b]の分割Δ及び代表点ξ=(ξ)iのとり方に依らずに
lim|Δ|0S(f,Δ,ξ)が一定の値を有する」
とき
abf(x)dx=deflim|Δ|0S(f,Δ,ξ)
と定義し,f[a,b]上で Riemann 積分可能といい,abf(x)dxf[a,b]上の Riemann 積分(定積分)という.

[注]a=bの場合は
abf(x)dx=0
a>bの場合は
abf(x)dx=baf(x)dx
とする.

f[a,b]上で Riemann 積分可能ならばf[a,b]上で有界関数である.

定積分の基本性質

関数f(x),g(x)が有界閉区間Iで Riemann 積分可能かつa,b,cIならば

I] |f(x)|も,I上で Riemann 積分可能

II]

(1)
ab{f(x)±g(x)}dx=abf(x)dx±abg(x)dx

(2)
abkf(x)dx=kabf(x)dx(xR)

(3)
abf(x)dx=acf(x)dx+cbf(x)dx

III]

  1. abかつg(x)f(x)ならば
    abg(x)dxabf(x)dx.
    さらに,f(x),g(x)共に連続でg(x)f(x) (axb)ならば
    abg(x)dx<abf(x)dx.

  2. abの大小に依らず
    |abf(x)dx||ab|f(x)|dx|

(ここ上手く箇条書きにできませんでした…いい方法あったら教えて下さい…)

微分積分学の基本定理

微分積分学の基本定理

関数f(x)[a,b]上で連続ならば

  1. ddxaxf(t)dt=f(x)(axb).
    (但しx=aでは右微分,x=bでは左微分)
  2. G(x)=f(x)となる関数G(x)を用いると
    abf(x)dx=G(b)G(a).

(1)
F(x)=defaxf(t)dt(axb)
とおく.

x0[a,b]をとる.以下,
F(x0)=f(x0)
となることを示す.

i) a<x0<bのとき,ϵ>0をとる.仮定から,f(t)t=x0で連続ゆえ,
δ>0[t[x0δ,x0+δ] ([a,b])|f(t)f(x0)|<ϵ].

従って,0<|h|<δのとき
|F(x0+h)F(x0)hf(x0)|=|1hx0x0+hf(t)dt1hx0x0+hf(x0)dt|=1|h||x0x0+h{f(t)f(x0)}dt|1|h||x0x0+h|f(t)f(x0)|dt|1|h||x0x0+hϵdt|=ϵ.

これは
limh0F(x0+h)F(x0)h=f(x0)
を示している.つまり
F(x0)=f(x0).

ii) x0=a,bのときも同様.

(2)

仮定から
G(x)=f(x)(axb).

また,(1)から,
F(x)=f(x)(axb).

両者を辺々引いて
(F(x)G(x))=0(axb).

従って,微分法の平均値定理から,
F(x)G(x)=(定数)(axb).

x=aとして,(F(a)=0と合わせて)
(定数)=G(a).

故に
axf(t)dt=F(x)=G(x)G(a)(axb).

特に,x=bとすれば,
abf(t)dt=G(b)G(a)

原始関数

与えられた関数f(x)に対し
F(x)=f(x)
となる関数F(x)f(x)原始関数といい,
f(x)dx
なる記号で表す.

不連続点を含む関数の積分

関数f(x) (axb)が有限個の点を除き連続かつ有界ならばf(x)[a,b]上で Riemann 積分可能.

関数f(x)[a,b]上で,Riemann 積分可能ならばc[a,b]に対し,
F(x)=defcxf(t)dt(axb)
は連続.

もっと詳しく,次が成り立つ:

ある定数M>0が存在して
|F(x1)F(x2)|M|x1x2|(x1,x2[a,b]).

広義 Riemann 積分

広義 Riemann 積分

<a<c<b<+とする.

(i) f(x) (a<xb):{(イ)x=aの近傍で非有界(ロ)[a+ϵ,b] (ϵ>0:十分小)では Riemann 積分可能
abf(x)dx=deflimϵ+0a+ϵbf(x)dx

(ii) f(x) (a<x<b):{(イ)x=a,bの近傍で非有界(ロ)[a+ϵ1,bϵ2] (ϵ1,ϵ2>0:十分小)では Riemann 積分可能
abf(x)dx=deflimϵ1,ϵ2+0a+ϵ1bϵ2f(x)dx

(iii) f(x) (a<x<b):{(イ)x=cの近傍で非有界(ロ)[a,cϵ1]及び[c+ϵ2,b] (ϵ1,ϵ2>0:十分小)では Riemann 積分可能
abf(x)dx=defacf(x)dx+cbf(x)dx

参考文献

[1]
高橋泰嗣・ 加藤幹雄, 微分積分概論, サイエンス社, 2020
投稿日:2021310
OptHub AI Competition

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Mathlog の記事のレベルが高すぎるのでレベルを下げる活動をしています(適当)

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