今回は こちら の式を証明します。K(x)を第一種完全楕円積分とします。
∫01K(x)1−x2 dx=Γ(14)416π
∫0π2sin2nθ dθ=π2(2n−1)!!(2n)!!
In=∫0π2sin2nθ dθとおく。すると、In=∫0π2sin2nθ dθ=∫0π2sinθsin2n−1θ dθ=[−cosθsin2n−1θ]0π2+(2n−1)∫0π2cos2θsin2n−2θ dθ=(2n−1)∫0π2(1−sin2θ)sin2(n−1)θ dθ=(2n−1)∫0π2sin2(n−1)θ dθ−(2n−1)∫0π2sin2nθ dθ=(2n−1)In−1−(2n−1)InとなるからIn=2n−12nIn−1という漸化式が導かれる。また、初項であるI0はI0=∫0π2sin2⋅0θ dθ=∫0π2dθ=π2だからIn=π2⋅12⋅34⋅56⋯2n−12n=π2(2n−1)!!(2n)!!
K(x)=π2∑n=0∞((2n−1)!!(2n)!!)2x2n
K(x)=F(π2,x)=∫0π2(1−x2sin2θ)−12 dθ=∫0π2(1+∑n=1∞(2n−1)!!2n(x2sin2θ)nn!) dθ=π2+∑n=1∞(2n−1)!!(2n)!!x2n∫0π2sin2nθ dθ=π2+∑n=1∞(2n−1)!!(2n)!!x2nπ2(2n−1)!!(2n)!!=π2∑n=0∞((2n−1)!!(2n)!!)2x2n
これで証明の準備が整いました。
まず、K(x)を級数展開して変形します。∫01K(x)1−x2dx=∫0111−x2π2∑n=0∞((2n−1)!!(2n)!!)2x2n dx=π2∑n=0∞((2n−1)!!(2n)!!)2∫01x2n1−x2 dx=π2∑n=0∞((2n−1)!!(2n)!!)2∫0π2sin2nx dx=π24∑n=0∞((2n−1)!!(2n)!!)3なんだか∑n=0∞((2n−1)!!(2n)!!)3がとても厄介そうですね。とりあえずできる範囲で式変形してみます。∑n=0∞((2n−1)!!(2n)!!)3=∑n=0∞(12)n3n!3=3F2[12,12,121,1;1]ここでDixonの恒等式でa=b=c=12とすれば∑n=0∞((2n−1)!!(2n)!!)3=3F2[12,12,121,1;1]=Γ(1+14)Γ(1+14−12−12)Γ(1+12−12)Γ(1+12−12)Γ(1+12)Γ(1+12−12−12)Γ(1+14−12)Γ(1+14−12)=14Γ(14)Γ(14)Γ(1)Γ(1)12Γ(12)Γ(12)Γ(34)Γ(34)=12πΓ(14)2Γ(34)2Γ(34)4=12π2π2Γ(34)4=πΓ(34)4ここで相反公式よりΓ(34)=1Γ(14)πsin(π4)=2πΓ(14)が成り立つので∫01K(x)1−x2 dx=π24∑n=0∞((2n−1)!!(2n)!!)3=π24∑n=0∞(12)n3n!3=π243F2[12,12,121,1;1]=π3Γ(34)4=Γ(14)416πレムニスケート周率ϖを用いればこの積分はϖ22と表現できます。
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