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作問サークル NFビラ問題 2018年

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問題

q=1+2とする.1以上の整数nに対して
an=122{qn(1q)n}
と定める.また,p=216+1とする.

  1. an+2an+1,anを使って表せ.
  2. ap,ap+1pで割った余りを求めよ.なお,pが素数であることは用いてよい.
  3. すべてのn1に対してan+p1anpの倍数であることを証明せよ.

出典:作問サークル 2018年ビラ問題
この記事では,この問題の別解法について書きたいと思います.

解答

1q=11+2=12より,
an=122{(1+2)n(12)n}
である.ここで,1±2x22x1=0の解なので,
an+2=2an+1+an
である.

ここで,Fpを位数pの有限体とする.
このとき,x22Fp[x]とみたときに可約である.
具体的には,x22=(x4080)(x61457)である.ここで,c=4080Fpとおく.このとき,

an12c{(1+c)n(1c)n}(modp)
と書くことができる.
ここで,a1=1,a2=2である.
ここで,1+c,1cpと互いに素であるような整数であるため,フェルマーの小定理により,p1の周期を持つ.よってan+p1an(modp)となる.
よってapa11,ap+1a22となる.

余談

以上の議論が何故成り立つのかと言うと,2modpにおいて平方剰余だからである.pmod8=1,7ならば2が平方剰余となる.216+1mod8=1である.

もし2が平方剰余とならないようなpの場合どうなるかというと,cFp2Fpとなる.
Fp2の元xxp2=xを満たすことから,an+p21an(modp)が成立することがわかる.

また,この手法は一般のk項間漸化式に応用することができる.
例えば,フィボナッチ数列のmodpでの周期(pは素数,p2,5)は,

  • (5p)=1のとき 周期はp1の約数
  • (5p)=1のとき 周期はp21の約数

となる.

投稿日:2021319
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shakayami
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