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東大数理院試過去問解答例(2019B06)

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ここでは東大数理の修士課程の院試の2013B07の解答例を解説していきます。解答例はあくまでも例なので、最短・最易の解答とは限らないことにご注意ください。またこの解答を信じきってしまったことで起こった不利益に関しては一切の責任を負いませんので、参照する際は慎重に慎重を重ねて議論を追ってからご参照ください。また誤り・不適切な記述・非自明な箇所などがあればコメントで指摘していただけると幸いです。

2019B06

写像f:R2R3
f(u,v)=(vcosu,vsinu,eu)
で定義する。ここでfの像をSとおく。曲面S上の滑らかな曲線γ(t)が漸近曲線であるとは、任意のtに対してベクトルγ(t)Sに接していることを指す。
(1) 関数u(t),v(t)を用いて
f(u(t),v(t))
と表されるS上の滑らかな曲線が漸近曲線であるための必要充分条件をu,vに関する微分方程式で表しなさい。
(2) 任意のpSについて、pを通る2つの漸近曲線で、pに於ける速度ベクトルが互いに一次独立であるようなものが存在することを示せ。またp=(1,0,1)についてこのような曲線を求めなさい。

  1. 計算によって
    d2(v(t)cosu(t))dt2=v(t)cosu(t)2v(t)u(t)sinu(t)v(t)(u(t)sinu(t)+u(t)2cosu(t))
    d2(v(t)sinu(t))dt2=v(t)sinu(t)+2v(t)u(t)cosu(t)+v(t)(u(t)cosu(t)u(t)2sinu(t))
    d2(eu(t))dt2=eu(t)u(t)2+eu(t)u(t)
    である。一方曲面Sは方程式
    xsinlogzycoslogz=0
    で表されるから、その(x,y,z)=(u,v,w)に於ける法線ベクトルは
    (sinlogeu(t),coslogeu(t),v(t)cosu(t)eu(t)coslogeu(t)+v(t)sinu(t)eu(t)sinlogeu(t))=(sinu(t),cosu(t),v(t)eu(t))
    であり、γ(t)が漸近曲線であることは上記の法線ベクトルとγ(t)の内積が0になることと同値である。よって満たすべき方程式は
    u(t)(u(t)v(t)2v(t))=0
    である。
  2. まず与えられたp=(vcosu,vsinu,eu)に対して曲線(tcosu,tsinu,eu)及び(vetu2cost,vetu2sint,et)を考えたとき、これは(1)で求めた微分方程式を満たし、それぞれの速度ベクトルは
    (cosu,sinu,0)
    (,,et)
    の型をしているから一次独立である。よって前半が示せた。そしてp=(1,0,1)のとき上記の曲線の方程式に(u,v)=(0,1)を代入して
    (et2cost,et2sint,et)
    (t,0,1)
    が得られる。
投稿日:20231020
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藍色の日々。趣味の数学と院試の過去問の(間違ってるかもしれない雑な)解答例を上げていきます。リンクはX(旧Twitter)アカウント 

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