一変数関数において極値が求められたように、二変数関数においても極値を考えることができる。
極値をとりうる点
関数を考える。
が関数であるとき、が点で極値をとるならば、
が成り立つ。
極値をとりうる点は連立方程式 を解くことで求めることができる。
ただしこれらの点は極値をとりうるだけであって、必ずとるわけではない。
どのようにして極値をとるかどうか判定するか
求めた点が極値をとるかどうか判定する方法を考える。
を満たす点のまわりの(は)の値を調べるために、を満たす定数(すなわちはとの関係にある)に対して、とおく。
であるとき、
である。にマクローリンの定理を適用すると
となる。
ここで、の値によらずが成り立てば、を十分小さくとればの項は無視できるので、
が成り立つ。すなわち、はで極小値をとる。
同様に任意のに対してならば、で極大値をとる。
また、の値によっての符号が変化するならば、極値をとらない。
これらのことから、の符号を調べればはで極値をとるかどうかを判定することができる。
判定法導出
ここで、 , , とおけば、
である。
(1)のとき、
となる。(これをヘシアンという)とおくと以下が成り立つ。
①のとき
・ならば、任意のにたいしてとなるから極小である。
・ならば、任意のにたいしてとなるから極大である。
②のとき
の値によっての符号が変化するので、極値はとらない。
③のとき
個々の関数によって極値の有無が異なる。そのため判断できない。
(2)のとき
となる。
①の時、の値はによるので極値ではなく、ヘシアンに代入してみてもである。
②の時、極値かどうかは判断できない。ヘシアンに代入してみてもである。
以上より以下のことが成り立つ。
まとめ
関数が
級かつ
を満たすとき、 , , とおけば、次が成り立つ。
(ただしである。)
①のとき
・ならば、は点で極小値をとる。
・ならば、は点で極大値をとる。
②のとき
は点で極値をとらない。
③のとき
この方法では判別不可