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単純加群の零化イデアルは極大イデアルとは限らない

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題名の通りの反例を挙げます. (当然非可換環です.)

M=C[X]とし, L,REndC(M)を次を満たすように定義する:
R(Xi)=Xi+1,L(Xi)=Xi1(ただしX1=0とする)
ここで, 非可換環AEndC(M)L,Rで生成されるC代数とする. Mは自然にA加群とみなせる。これが単純であることは次のようにわかる:
A1M=Mはすぐわかるので, 0fMを任意にとり, Af1Mを示せばよい. これはfの最高次の項がcXnの時, c1Ln(f)=1となるのでわかる.
次に, Ann(M)=0を示す.0gAを任意にとると, LR=1より,g=ci,jRiLjと書ける. ci,j0となる最大のjnとすると,gXn=ci,nXi0より, gAnn(M)となる.
最後にAが体でないことを示す. これはLMからMへの写像と見たとき, 単射でないのでA内で左逆元が存在しないことからわかる.

投稿日:2021327
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