||x|−|y||≤|x+y|≤|x|+|y|左側の等号成立条件はxy≤0であり,右側の等号成立条件はxy≥0である。
(||x|−|y||)2−(|x+y|)2=(x2−2|xy|+y2)−(x2+2xy+y2)=−2(|xy|+xy)≤0
(|x+y|)2−(|x|+|y|)2=(x2+2xy+y2)−(x2+2|xy|+y2)=2(xy−|xy|)≤0
関数f(x)が区間I上で凸関数(下に凸な関数;上に凹な関数)であるとは,区間I上の任意のx,yと0≤λ≤1に対し,(*)λf(x)+(1−λ)f(y)≥f(λx+(1−λ)y)となることである。また,式(∗)の不等号の向きが逆である関数を凹関数(上に凸な関数;下に凹な関数)と呼ぶ。
関数f(x)=x2やf(x)=exは凸関数である。関数f(x)=xやf(x)=logxは凹関数である。
関数f(x)の区間I上の任意のx1,x2,⋯,xnとλi≥0(i=1,2,⋯,n),∑i=1nλi=1に対し,∑i=1nλif(xi)≥f(∑i=1nλixi)となる。
n=2のときは定義そのものである。n=kで成り立つと仮定して,S=∑i=1kλif(xi)とする。∑i=1k+1λif(xi)=∑i=1kλif(xi)+λk+1f(xk+1)=S∑i=1kλiSf(xi)+(1−S)f(xk+1)≥S∑i=1kf(λiSxi)+(1−S)f(xk+1)≥f(∑i=1k+1λixi)
λ1,λ2,⋯,λn=1nとすると,∑i=1n1nf(xi)≥f(∑i=1nxin)
nを正整数,a1,a2,⋯,anを非負数とするとき,1n∑i=1nai≥∏i=1nainとなる。等号成立条件はa1=a2=⋯=anである。
logxは凹関数であるから,イェンセンの不等式によりlog∏i=1nain=∑i=1n1nlogxi≤log∑i=1nxin=log1n∑i=1nxiとなるので対数の中を比べると示される。
nを正整数,a1,a2,⋯,anを非負数とするとき,1n∑i=1nai2≥1n∑i=1naiとなる。等号成立条件はa1=a2=⋯=anである。
x2は凸関数であるから,イェンセンの不等式により示される。
nを正整数,a1,a2,⋯,anを正数とするとき,∏i=1nain≥n(∑i=1nai−1)−1となる。等号成立条件はa1=a2=⋯=anである。
相加相乗平均の不等式のaiをai−1に置き換えると得られる。
a1,a2,⋯,anを非負数,wi>(i=1,2,⋯,n),∑i=1nwi=1とするとき,∑i=1nwiai≥∏i=1naiwiとなる。等号成立条件はa1=a2=⋯=anである。
イェンセンの不等式を用いて,相加相乗の不等式と同様に示すことができる。
(∑i=1nai2)(∑i=1nbi2)≥(∑i=1naibi)2等号成立条件はベクトルa=(a1,a2,⋯,an)とベクトルb=(b1,b2,⋯,bn)が平行であることである。
(∑i=1nai2)(∑i=1nbi2)−(∑i=1naibi)2=∑i=1n∑j=1nai2bj2−∑i=1n∑j=1naibiajbj=∑1≤i<j≤nn(aibj−ajbi)2≥0
|a|2|b|2≥|a|2|b|2cos2θ=(a⋅b)2から得られる。
非負数x,y,zと正数tに対しxt(x−y)(x−z)+yt(y−z)(y−x)+zt(z−x)(z−y)≥0等号成立条件はx=y=zまたはx,y,zのいずれかが0で残り2つが等しいとき。
対称性より,x≥y≥zとしても一般性を失わないので,(x−y)(xt(x−z)−yt(y−z))+zt(z−x)(z−y)≥0と変形することにより示される。
バッチを贈ると投稿者に現金やAmazonのギフトカードが還元されます。