解説に入る前に問題のおさらいです。問題は以下のようなものでした。
$xy$平面上に原点$(0,0)$を通り$x$軸にも$y$軸にも接しない円$C$がある. 円$C$,$x$軸,$y$軸すべてに接する円がちょうど$4$つあることを示せ.
ここでは素直に計算する方法(解答1)と,反転をつかった方法(解答2)の二つを紹介します.
円$C$の中心を$(a,b)$$(a,b$は実数$)$とします.このとき,条件より円$C$の半径は$\sqrt {a^2+b^2}$です.また,$x$軸にも$y$軸にも接しないことから,$a\neq 0$かつ$b\neq0$です.対称性より,$a>0$かつ$b>0$としても一般性を失いません.
円$C$,$x$軸,$y$軸すべてに接する円$D$があるとします.$x$軸と$y$軸両方に接するので,円$D$の半径を$r$とするとその中心$P$の座標は$(\pm r,\pm r)$(復号はすべての場合についてとる)と表されます.$a>0$かつ$b>0$より点$P(-r,-r)$とならないことと円$C$と円$D$が内接するのは点$P(r,r)$のときであることは明らかです.
円$C$と円$D$が内接し,点$P(r,r)$のとき
円$C$と円$D$の中心間の距離を考えると
$\sqrt{(r-a)^2+(r-b)^2} =|r-\sqrt{a^2+b^2}|$
$∴(r-a)^2+(r-b)^2=(r-\sqrt{a^2+b^2})^2$
$∴r(r-2(a+b-\sqrt{a^2+b^2}))=0$
$r>0$より
$r=2(a+b-\sqrt{a^2+b^2})$
$(a>0$かつ$b>0$よりこれは$r>0$をみたす$)$
円$C$と円$D$が外接し,点$P(r,r)$のとき
と同様に考えると
$r=2(a+b+\sqrt{a^2+b^2})$
$(a>0$かつ$b>0$よりこれは$r>0$をみたす$)$
円$C$と円$D$が外接し,点$P(r,-r)$のとき
と同様に考えると
$r=2(a-b+\sqrt{a^2+b^2})$
$(a>0$かつ$b>0$よりこれは$r>0$をみたす$)$
円$C$と円$D$が外接し,点$P(-r,r)$のとき
と同様に考えると
$r=2(-a+b+\sqrt{a^2+b^2})$
$(a>0$かつ$b>0$よりこれは$r>0$をみたす$)$
1)~4)で求めた$r$と点$P$に対応する円$D$は明らかにどれも異なるので,これらが問題の条件をみたす$4$つの円となります.
原点中心半径$1$の円で反転します.すると,$x$軸は$x$軸に,$y$軸は$y$軸に,円$C$は原点を通らず,$x$軸にも$y$軸にも平行でない直線$($これを$L$ とする$)$に移ります.
$x$軸,$y$軸,直線$L$によって囲まれる領域は三角形となり,これの内接円$1$つと傍接円$3$つはどれも$x$軸,$y$軸,直線$L$すべてに接します.また,三角形の頂点のひとつが原点であることから明らかに原点を通りません.よってこれらの$4$つの円を原点中心半径$1$の円で反転させた先が問題の条件をみたす$4$つの円となります.
素直にやると面倒なものが簡単に示せるのは反転のすごいところですね
読んでくださりありがとうございました