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先日投稿した 幾何の問題【1】の解説

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はじめに

解説に入る前に問題のおさらいです。問題は以下のようなものでした。

幾何の問題【1】

xy平面上に原点(0,0)を通りx軸にもy軸にも接しない円Cがある. 円C,x軸,y軸すべてに接する円がちょうど4つあることを示せ.

ここでは素直に計算する方法(解答1)と,反転をつかった方法(解答2)の二つを紹介します.

解答1

Cの中心を(a,b)(a,bは実数)とします.このとき,条件より円Cの半径はa2+b2です.また,x軸にもy軸にも接しないことから,a0かつb0です.対称性より,a>0かつb>0としても一般性を失いません.
C,x軸,y軸すべてに接する円Dがあるとします.x軸とy軸両方に接するので,円Dの半径をrとするとその中心Pの座標は(±r,±r)(復号はすべての場合についてとる)と表されます.a>0かつb>0より点P(r,r)とならないことと円Cと円Dが内接するのは点P(r,r)のときであることは明らかです.

  1. Cと円Dが内接し,点P(r,r)のとき
    Cと円Dの中心間の距離を考えると
    (ra)2+(rb)2=|ra2+b2|
    (ra)2+(rb)2=(ra2+b2)2
    r(r2(a+ba2+b2))=0
    r>0より
    r=2(a+ba2+b2)
    (a>0かつb>0よりこれはr>0をみたす)

  2. Cと円Dが外接し,点P(r,r)のとき

  3. と同様に考えると
    r=2(a+b+a2+b2)
    (a>0かつb>0よりこれはr>0をみたす)

  4. Cと円Dが外接し,点P(r,r)のとき

  5. と同様に考えると
    r=2(ab+a2+b2)
    (a>0かつb>0よりこれはr>0をみたす)

  6. Cと円Dが外接し,点P(r,r)のとき

  7. と同様に考えると
    r=2(a+b+a2+b2)
    (a>0かつb>0よりこれはr>0をみたす)

1)~4)で求めたrと点Pに対応する円Dは明らかにどれも異なるので,これらが問題の条件をみたす4つの円となります.

解答2

原点中心半径1の円で反転します.すると,x軸はx軸に,y軸はy軸に,円Cは原点を通らず,x軸にもy軸にも平行でない直線(これをL とする)に移ります.
x軸,y軸,直線Lによって囲まれる領域は三角形となり,これの内接円1つと傍接円3つはどれもx軸,y軸,直線Lすべてに接します.また,三角形の頂点のひとつが原点であることから明らかに原点を通りません.よってこれらの4つの円を原点中心半径1の円で反転させた先が問題の条件をみたす4つの円となります.

おわりに

素直にやると面倒なものが簡単に示せるのは反転のすごいところですね
読んでくださりありがとうございました

投稿日:202145
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Qoo
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