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大学数学基礎解説
文献あり

ルベーグ積分の証明でよく出てくるアレ(2)

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「ルベーグ積分入門」の定理7.4に以下のものがある。

$A$が可測集合ならば、任意の$\epsilon > 0$ に対し $G \supset A, \mu(G-A) < \epsilon$ なる開集合が存在する。

字面だけ追えば、任意の$\epsilon$が任意で、$\mu(G - A) < 0 + \epsilon$となり、$\mu(G - A) \leq 0$、すなわち$\mu(G-A) = 0$になりそうに思えるが、そうはならない。これは、$G$$\epsilon$に応じて決まるためである。

$R$上の可測集合でどんな開集合$G$を選んでも$\mu(G-A) > 0$になるパターンとして$A = [0, 1)$がある。この場合、$\epsilon > 0$に対して$G = (-\epsilon, 1)$とすると、$G \supset A, \mu(G-A) = \epsilon$ となり、$\mu(G-A)$はいくらでも小さくできる。しかし、0にはならない。

参考文献

[1]
伊藤 清三, ルベーグ積分入門(新装版) , 数学選書, 裳華房, 2017
投稿日:202148

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