(練習。少々雑です。)
まず, 次の二つの記号を定義する.
以後の点の記号としてを, の元の記号としてをしばしば用い, 断りなければであるものとする.
にはが一次分数変換により作用する: , のとき, .
を4以上の偶数とし, を次で定義する.
これをウェイトのアイゼンシュタイン級数という.
上の級数は広義一様絶対収束することが知られており, したがって上の正則函数を定める.
一般に関数がウェイトのモジュラー形式であるとは, 次の3条件を満たすことをいう.
- は上正則.
- ならばは有界.
はウェイトのモジュラー形式であることが知られている. ウェイトのモジュラー形式全体の集合をと書き, は自然に次数付代数である.
は実はの2元で生成できるため, モジュラー性の2.はこの2つの元に対して確認すれば十分である. 特に一つ目の生成元に対しては, 確認するべきことは単にという周期性である. に関して2.を示すとき, 総和の取り方を変える必要があるので, 総和の変形に絶対収束性を必要とするであろう.
とおき, とおく. なのでである. は上では0にならないことが知られており, このとき次が定義される.
これをモジュラー不変量という. はウェイト12のものをウェイト12で割っているので, このような名前がついている. (ただし モジュラー性の条件の3.は満たされなくなる)
次回は次の問題を考える.