0
算数解説

【小学生でもできる】両手で100数える方法

770
0
$$$$

「1,2,3,4,5,6...」と片手で数えていると、横から兄に「なんその数え方?」と突っ込まれたことがあります。

自分の中ではこの数え方は正常だと思っていたのですが、よくよく考えると周知されていないからそりゃそうなると。

普通に数えると両手で10までしか数えられませんが、僕は小学生ながら両手で100を数える方法を編み出していたのです。

理由は簡単。

両手で10じゃ少なすぎる!!

目次

  1. 両手で100数える方法
  2. なぜこれで数えられるのか?
  3. 5進法をアレンジする必要性
  4. おまけ

両手で100数える方法

厳密にいえば$0-99$ですが、両手で$100数$える方法です。
以下、説明するにあたって、表記のルールです。
実際にやってもらえるとイメージしやすいと思います。

$・左手を(親指,人差し指,中指,薬指,小指)$
$右手を(小指,薬指,中指,人差し指,親指)と表記します。$
$(手のひらを上にするとわかりやすいと思います)$

$・親指を折った場合は0、立てた場合は1と表記します。$
$じゃんけんで例えると、右手で出す場合$
$グー = (0,0,0,0,0)$
$チョキ = (0,0,1,1,0)$
$パー = (1,1,1,1,1)$
$左手はその左右対称です$

さて、僕の発案した方法ですが、以下のように行います。

$$左手 + 右手$$
$$0 = (0,0,0,0,0) + (0,0,0,0,0)$$
$$1 = (0,0,0,0,0) + (0,0,0,1,0)$$
$$2 = (0,0,0,0,0) + (0,0,1,1,0)$$
$$3 = (0,0,0,0,0) + (0,1,1,1,0)$$
$$4 = (0,0,0,0,0) + (1,1,1,1,0)$$
$$5 = (0,0,0,0,0) + (1,1,1,1,1)$$
$$6 = (0,0,0,0,0) + (0,0,0,0,1)$$
$$7 = (0,0,0,0,0) + (0,0,0,1,1)$$
$$8 = (0,0,0,0,0) + (0,0,1,1,1)$$
$$9 = (0,0,0,0,0) + (0,1,1,1,1)$$
$$10 = (0,1,0,0,0) + (0,0,0,0,0)$$
...
$$67 = (1,0,0,0,0) + (0,0,0,1,1)$$
...
$$99 = (1,1,1,1,1) + (1,1,1,1,1)$$

これを両手で行うと、両手で$100$まで数えることができます。

なぜこれで数えられるのか?

上記の方法を数式で表すと以下のようになります。

$$f: \lbrace 0,1,2,...,9 \rbrace → (Z_{5}, Z_{2})$$
$$     n   \mapsto (n \mod{5}, [\frac{n}{5}])(n \lt 5)$$
$$     n   \mapsto (n-1 \mod{5}, [\frac{n}{5}])(n \ge 5)$$
$$とするとfは全単射$$

$$g: \lbrace 0,1,2,...,99 \rbrace → \lbrace 0,1,2,...,9 \rbrace × \lbrace 0,1,2,...,9 \rbrace$$
$$     n   \mapsto ([\frac{n}{10}], n \mod 10)$$
$$とするとgは全単射$$

$$f,gは全単射より$$
$$h: \lbrace 0,1,2,...,99 \rbrace → (Z_{5}, Z_{2})×(Z_{5}, Z_{2})$$
$$     n   \mapsto (f(n), f(n))$$
$$も全単射$$

$f$は片手の数え方、$h$は両手の数え方を表しています。

全単射についてはこちら
全単射と日常生活での利用法
https://mathlog.info/articles/2054

5進法をアレンジする必要性

基本は$5$進法ですが、少しアレンジしています。

$$5進法$$
$$0_{5} = 0, 1_{5} = 1, 2_{5} = 2, 3_{5} = 3, 4_{5} = 4, 5_{5} = 10$$
$$6_{5} = 11, 7_{5} = 12, 8_{5} = 13, 9_{5} = 14, 10_{5} = 20$$

この$5$進法の通りにいくと、「左の位を親指に見立てている」ということが予想できるかと思いますが、このままだと不都合が起きてしまいます。

  1. $例えば(1,1,1,1,1)は従来の数え方では5、5進法では9となり、混乱しやすい。$
    $であれば、(1,1,1,1,1)は同じく5であった方が数えやすい。$
  2. $10_{5} = 20とあるが、片手に親指は二本もない。$

よって、$5$進法そのままではなく、$1$の位を右手、$10$の位を左手とすることと、$(1,1,1,1,1)$を従来通り$5$とみなすことで混乱を避ける工夫をしました。

おまけ

ご存じかと思いますが、$2$進法を使うと両手で$0-1023$まで数えられます。
しかし自分の場合、$2$進法はいちいち計算しないと数えられないので、この$5$進法の方法で数えています。

ちなみに$5$進法はそろばんでも使われていたり、ローマ数字が$5$進法だったりします。
昔そろばんを習っていたのですが、だからこそ得た発想かもしれません。

よかったら使ってみてください。変な目で見られる覚悟があるなら

投稿日:2021426

この記事を高評価した人

高評価したユーザはいません

この記事に送られたバッジ

バッジはありません。

投稿者

あーく
あーく
107
187005
使える数学、面白い数学の分かりやすい解説を心がけています。

コメント

他の人のコメント

コメントはありません。
読み込み中...
読み込み中