何か書こうかなと思いつつ長いの書くのは面倒だな〜と思っていたら, お蔵入りになっていた面白いノートがあったので, 記事にして成仏させてあげることにしました.
定義しかありませんが, 気になったら勉強してみてください. そして私に教えてください.
以下の条件を満たす$\mathbb{R}^n$上実連続関数全体の成す空間を$\mathcal{M}$と表す:
ただし, japanese bracket$\langle \xi\rangle=\sqrt{1+|\xi|^2}$に注意.
さらに, $\xi\ge0$上の1変数凹関数$\Omega$を用いて$\omega(\xi)=\Omega(|\xi|)$と表される$\omega\in\mathcal{M}$全体を$\mathcal{M}_c$と書くことにし, これ以降, $\mathcal{M}$といえば$\mathcal{M}_c$を考えるものとする.
目的のため,Schwartzクラスを拡張した空間を定義する.
固定した$\omega\in\mathcal{M}_c$に対し, 次の関数空間を定義する:
$$
S_\omega(\mathbb{R}^n) = \{
\varphi\in L^1(\mathbb{R}^n): \varphi,\hat\varphi\in C^\infty(\mathbb{R}^n),\
\forall \alpha:\text{multi-index},\ \forall \lambda\ge0\ s.t.\ p_{\alpha,\lambda}(\varphi)<\infty,\ \pi_{\alpha,\lambda}(\varphi)<\infty
\}.
$$
ここで, 以下のセミノルムを定義した:
$$p_{\alpha,\lambda}(\varphi)= \sup_x e^{\lambda \omega (x)}|\partial^\alpha\varphi(x)|,\quad \pi_{\alpha,\lambda}(\varphi)= \sup_\xi e^{\lambda \omega (\xi)}|\partial^\alpha\hat\varphi(\xi)|.
$$
この位相的双対空間$S_\omega'$の元をウルトラ超関数(ultra-distribution)と呼ぶ.
一般に, Schwartz超関数を減衰度の観点から拡張した超関数はウルトラ超関数と呼ばれる. これは適当な文献を参照せよ.
$S_\omega(\mathbb{R}^n)$において$\omega(\xi)=\log\langle\xi\rangle$としたものは従来のSchwartzクラスと一致する.
次に, $\omega\in\mathcal{M}_c$に対して, 空間$K_\omega(\mathbb{R}^n)$を
$$K_\omega(\mathbb{R}^n)= \{ k: \text{positive function}: \forall \xi, \eta\in\mathbb{R}^n,\ \exists \lambda >0\ s.t.\ k(\xi+\eta)\le e^{\lambda\omega(\xi)}k(\eta)\}$$で定めておく.
固定した$\omega\in\mathcal{M}_c$と$k\in K_\omega(\mathbb{R}^n)$に対し, 一般化Sobolev空間を
$$
B^\omega_{p,k}(\mathbb{R}^n)= \left\{
f\in S_\omega'(\mathbb{R}^n): \int_{\mathbb{R}^n} |k(\xi)\hat f(\xi)|^pd\xi<\infty
\right\}
$$
で定義する. 対応するノルムは以下である:
$$\|f\|_{B^\omega_{p,k}}= \left(\int_{\mathbb{R}^n} |k(\xi)\hat f(\xi)|^pd\xi\right)^\frac{1}{p}.$$
$p=2$のときには内積が入り, $\langle f,g \rangle_{B^\omega_{2,k}}= \langle k(\cdot)\hat f,k(\cdot)\hat g \rangle_{L^2}$で与えられる.
さらに, $k(\xi)=\langle \xi\rangle^s$を選べば,通常のSobolev空間$H^s(\mathbb{R}^n)$と一致する: $ B^{\log\langle\cdot\rangle}_{2, \langle \cdot\rangle^s}(\mathbb{R}^n)=H^s(\mathbb{R}^n). $
この構成はほとんど知られていませんが, 空間の拡張にはキリがないことを再認識させてくれて, 個人的には面白かったです. 続きは参考文献を見てみてください.