第5問は三角関数の微分を使った問題です.手厳しい言い方になりますが,前問とは打って変わって退屈なことこの上ない問題です.
問題
を正の実数とする。 における の関数 を,座標平面上の 点 A, P 間の距離 AP の 乗として定める。
の範囲に となる がただ つ存在することを示せ。
以下が成り立つような の範囲を求めよ。
における の関数 は,区間 のある点において最大になる。
解答解説
まずは何も考えずに を求めておきましょう.
(1) の解答
この問題を見て を求めるのは普通です.
となります.さらに を求めると
となり,ここでもまだ がよく分からないので, も求めます.
ここまで来てようやく関数の形状が見えてきます.以下の情報から,まず の増減表を書いてみましょう.
ということで, の範囲に となる がただ つ存在します.これを としておきます.このとき, の増減表は次のようになります.
さてここで、 であるので, のとき となります.すなわち,この区間では となる は存在しません.
また, のときに は単調減少し, かつ であるので, となる がこの区間でただ1つ存在します.
これで命題は証明されました。
(2) の解答
(1) より,区間 で となる がただ 1つ存在するので,それを とおきます.
(1) の増減表より のとき であり, のとき であるので, は のときに最大となります.
区間 で となる はただ つであり, であるので, であるための必要十分条件は, が成立することとなります.
よって,求める の範囲は となります.
感想
見ての通り,難しい問題ではないです.東大受験生にとっては基本的と言っていいです.合格のためには落とせないでしょう.