東大(理系)の数学最後の問題は整式に関する問題ですが,見かけの割には大した問題ではないです.しかし,答案を書くという点では面倒かもしれません.
定数
が
と表されているとき,有理数を係数とする
を満たすものを
が有理数を係数とする2次式の積に因数分解できるような
この問題は簡単なので落とせません.右辺を展開してまとめて,左辺と係数を比較するだけです.
であるので,
が得られます.このうち,式 ①, ② を使うことで
が得られます。
この問題は (1) の式 ③ を使います.(1) の答えを ③ 代入すると,
が得られます.ここで (1) で得られた
が得られ,これを変形すると
となります.この左辺を因数分解すると
となるので,
この問題で注意して欲しいことは,すぐに (2) の事実に飛びつかないことです.与えられた数式を因数分解したときに
与えられた整式が
よって,
さて,これで
を満たします.ここで,
次に
一方,
以上のことから,条件を満たす
この問題は,難しくはないですが,条件をきちんと整理して答案を書くという点では面倒だと思います.時間が取られます.
私はこういうときに大きな流れが分かっているかを重視するのですが,実際の採点ではどういうところを見るのでしょう.
受験生からは採点はブラックボックスになっているので,時間がないときにどちらを重視するかで天国と地獄かもしれません.
そういう意味ではあまりいい問題とは思えないですが,それも入試というものと思ってあきらめるしかないのでしょう.