多変量解析の手法として俗にいう「個数に関する数学的帰納法」と「予選決勝法」を取り上げ具体的な問題とその解説から両者の特徴や関係を分析することで、それらの書き方(型)への依存からの脱却を図ります。
2以上の整数nに対してn個の正の実数
変数の数が決まっていません。また、総和の条件が課されていますが、等式ではなく不等式です。
&&&prf
kを1以上の整数として
この
従って
数学的帰納法の型を組むことまではできたのですがそのままでは仮定のみをうまく使うのは難しいようです。(私が単に力不足だという可能性も捨てきれませんが。この記事をご覧になった方は是非この方針での解決お願いします。下に私の仮説を置いておきます。
(1)
(1)
(1)
として考えるとよい...?)
&&&
任意の2以上の整数nで正の実数
&&&prf
&&&prf 再掲
kを1以上の整数として
以上より題意が示された。
(前半解決してないけど)書いてあることに同じところがありますね...(見える...!ない方針が見えるぞ...!)ここではこの問題の解説をもとに一般の類題における両者の違いを考えます。
どっちも変数の数が決まっていないおかげで数学的帰納法を使っています。しかしそもそも同じ手法を採用していながら前者は解決していないのでここに両者の関係の手がかりがあるのだろうと思います。私の経験によると両者を扱わせるよくある問題といえば下の表の通りで異なる特徴をもつと思います。
解法 | 独立変数の数 | 問題の目的 |
---|---|---|
個数に関する数学的帰納法 | 非制限 | 証明 |
予選決勝法 | 確定 | 数値決定 |
(ここでいう変数の独立とはある変数の値の組が1つに決定したとき他の変数の値の組がいわゆる有限の組み合わせに縛られないことを指す。)
一方で両者における解答の表現には対応しあう部分があります。それは変数の数を小さくして考える部分と徐々により多くの変数をひとまとめにして考える部分です。
この観点によると予選決勝法としての記述において
2以上の整数nに対してn個の正の実数
つまるところ、個数に関する数学的帰納法は仮定の設定に制限がある点で脆弱であり、予選決勝法はそれを補強するということです。私は一般に数学的帰納法を扱う問題に対して問題の内容をあまり工夫せずに使っていることにこの問題を通して気づかされました。