今回は京都大学(理系)の第2回です.タイトルの通り,放物線と接線の問題です.超が付くほど簡単です.
曲線 $y = \displaystyle\frac{1}{2}(x^2 + 1)$ 上の点 P における接線は $x$ 軸と交わるとし,その交点を Q とおく.線分 PQ の長さを $L$ とするとき,$L$ が取りうる値の最小値を求めよ.
$f(x) = \displaystyle\frac{1}{2}(x^2 + 1)$ とおくと、$f'(x) = x$ であり,点 P の座標を $(t, f(t))$ とおくと,点 P における $y = f(x)$ の接線の方程式は $y = t(x-t) + \displaystyle\frac{t^2+1}{2}$ で表すことができます.
したがって,接線と $x$軸が交わるときの $x$ の値すなわち $x$ 切片は $t(x-t) + \displaystyle\frac{t^2+1}{2} = 0$ より $x = \displaystyle\frac{t^2-1}{2t} = \frac{t}{2} - \frac{1}{2t}$ となります.ただし,$x$ 軸と交わるための条件は $t \ne 0$ となります.
ここで,$L^2$ を求めると,
\begin{equation}
L^2 = \left(\frac{t}{2} + \frac{1}{2t}\right)^2 + \frac{(t^2 + 1)^2}{4}
= \frac{(t^2+1)^2+t^2(t^2+1)^2}{4t^2}
= \frac{(t^2 + 1)^3}{4t^2}
\end{equation}
となります.
さて,$L \geqq 0$ であるため,$L$ が最小となることと $L^2$ が最小となることは同値であるため,$L^2$ の最小値を求めます.
$L^2$ の右辺の $t^2$ を $s$ でおき,$g(s)$ で表すと,$g(s) = \displaystyle\frac{(s+1)^3}{4s}$ となります.ただし,$t \ne 0$ より $s > 0$ です.
\begin{equation}
g'(s) = \frac{3s(s+1)^2 - (s+1)^3}{4s^2}
= \frac{(2s-1)(s+1)^2}{4s^2}
\end{equation}
であるので、$g(s)$ は $s=\displaystyle\frac{1}{2}$ のときに最小となり,$\displaystyle g\left(\frac{1}{2}\right) = \frac{27}{16}$ となります.よって,$L$ は $t = \displaystyle\pm\sqrt{\frac{1}{2}} = \pm\frac{\sqrt{2}}{2}$ のときに最小となり,最小値は $\displaystyle\sqrt{\frac{27}{16}}=\frac{3\sqrt{3}}{4}$ となります.
$s$ | $0$ | $\displaystyle\frac{1}{2}$ | ||
---|---|---|---|---|
$g'(s)$ | $-$ | $0$ | $+$ | |
$g(s)$ | $\searrow$ | $\displaystyle\frac{27}{16}$ (最小) | $\nearrow$ |
第1問に引き続き,この問題も簡単です.迷わず解いてください.基本問題.
京都大学どうしちゃったのでしょう?いくら新型コロナで配慮したと言っても,こんな簡単な問題ばかりでは解けない受験生を探す方が大変です.