本稿では順序体
特に記載のない限り
1)
2)
3)
4)
順序体
連続公理を満たす順序体は順序体同型を除いて一意的に存在する。
以下、これを示す。まずは存在性に関してである。
順序体の元
という条件を満たすとき
という条件を満たすとき、
(1)数列が収束したとすると収束先は唯一つである。(2)Cauchy列は有界である。(3)Cauchy列が収束する部分列を持てばもとの列も同じ値に収束する。(4)収束する数列はCauchy列である。
(1)
となる。このような
これは矛盾である。よって、
(2)
このような
となる。よって、
となり、
(3)Cauchy列
このような
このような
よって、
(4)
このような
よって、
この演算はwell-definedである。(つまり、Cauchy列の和と積は再度Cauchy列になる。)さらに、
環になることは面倒なので省略する。(作業的にできる。)
である。このような
より
となる。このような
となる。再度Cauchy性を用いると、
となる。このような
となり、
反射律と対称律は作業的に示せるから推移律のみ示す。
が成立する。このような
よって
商集合
和)
である。このような
となるから和はwell-definedである。積のwell-defined性も同様に示すことができる。(命題9の証明を参照せよ。)体であることを示す。
そのような
となる。このような
これは
のように正の符号をとるしても一般性は失われない。新たに、数列
としても一般性は失われない。
となる。このような
である。よって、
と定義する。
まず、well-definedであることを示す。
だとする。このような
を示したい。
このような
となり条件が示される。よって、
次に全順序性を示す。反射律と推移律は明らかだから比較可能性のみを調べたら良い。
面倒なので省略する。(作業的にできる。)
以降、
面倒なので省略する。(作業的にできる。)
次に、順序体
①
を満たすとき、
②
という条件を満たすことである。このとき、
③2元
という条件を満たすとき、この列は狭義単調減少であるという。
④
順序体
連続の公理を満たす。
任意の上に有界な単調増加数列は収束する。
狭義単調減少な有界閉区間の共通部分は空ではない。
任意の有界数列は収束部分列を持つ。
任意のCauchy列は収束する。
この6つの条件には次の様な関係がある。
順序体に関して次の5条件は同値である。
(1)条件1を満たす。
(2)条件2を満たす。
(3)条件3と条件4を満たす。
(4)条件5を満たす。
(5)条件3と6を満たす。
『解析入門
の後の注意4を参照されたい。ただし、それまでに用いている定理(例えば、はさみうちの原理など)は一般の順序体上でも成立することに注意されたい。また、文献では(2)
となる。
であるから、
これを
そのような
よって、
各
である。この
と
より、
命題22,24,26より
を満たす。
『解析入門
を満たす。命題10より
特に、
となる。ここで
であるから、数列
これで一意性も示すことができた。This is real number!!!!!!!!!!!!
[1]は一意性を示す過程で、[2]は存在性を示す過程で参考にした。