ここでは以下の方程式について考えます。
次に、これの有理数解について考えます。
$x=y$は自明な解なので$x< y$とします。
$x,y$が共に有理数なのでその比$\displaystyle\frac{t+1}{t}$も有理数です。よって、$t$も有理数です。
$\displaystyle t=\frac{n}{m}$($\gcd(m,n)=1$,$m,n>0$) とおきます。
$\displaystyle x=\left(\frac{n+m}{n}\right)^\frac{n}{m}$が有理数であり、$m$と$n$が互いに素なので$\displaystyle\left(\frac{n+m}{n}\right)^\frac{1}{m}$が有理数になります。
(この部分は少し非自明なので説明をしておきます。$\alpha=\left(\frac{n+m}{n}\right)^\frac{1}{m}$とおくと、$\alpha^n$と$\alpha^m$はともに有理数です。$m,n$が互いに素なので$am+bn=1$となる整数$a,b$が存在して$\alpha=\alpha^{am+bn}=(\alpha^m)^a(\alpha^n)^b$が有理数となるわけです。)
$m$と$n$が互いに素なので$n+m$と$n$は互いに素です。
よって、$\displaystyle\left(\frac{n+m}{n}\right)^\frac{1}{m}$が有理数であることから$n+m$と$n$はどちらもある整数の$m$乗として表されます。
ここで、$2$つの異なる$m$乗数の差は最小でも$2^m-1$となりますが$n+m$と$n$の差は$m$であるので$m≥2^m-1$であることが必要となります。これをみたす正の整数は$1$のみであるので、$m=1$が得られました。
$m=1$を代入してみると、$\displaystyle(x,y)=\left(\left(\frac{n+1}{n}\right)^n,\left(\frac{n+1}{n}\right)^{n+1}\right)$が得られ、たしかにこれは有理数です。
よって、$x^y=y^x$の有理数解は、$x=y$となるものと、これと、これの$x$と$y$を入れ替えたものです。