0

【京都大学2021年度前期入試数学(文系)第5問】簡単?難しい?整数問題

154
0

すでに YouTube でも話題になっている整数問題です.

問題

p が素数ならば p4+14 は素数でないことを示せ.

解答解説

強烈に短い問題文ですが,短いがゆえにどうしていいか困ったかもしれません.

しかし,実際には難しくはないと思います.というか,難しく考えない方がいいです.

p は素数であるので,p=3 もしくは p±1(mod3) である.

p=3 のとき,p4+14=84+14=95=5×19 より,p4+14 は素数ではない.

p±1(mod3) であるとき,p21(mod3) であり,p4=(p2)21(mod3) であるので,p4+14150(mod3) となり,p4+143 で割り切れる.p4+14>14 であるので,p4+14 は素数ではない.

以上のことから,p が素数ならば p4+14 は素数でない.

感想

証明を見て分かる通り,実は p が素数でなくても p4+14 が素数にならない場合がたくさんあります.実際,p3 の倍数でないならば p4+14 は素数になりません.

また,p5 の倍数でないときにも,p21,4(mod5) より p41(mod5) であることから,p4+14150(mod5) となって,p4+14 が素数でないことが言えます.

このように言われれば簡単に証明できるのですが,条件を「p が素数」とすることで,こういう方針を気付きにくくさせています.それが出題者の意図だろうと思います.

投稿日:2021525
OptHub AI Competition

この記事を高評価した人

高評価したユーザはいません

この記事に送られたバッジ

バッジはありません。
バッチを贈って投稿者を応援しよう

バッチを贈ると投稿者に現金やAmazonのギフトカードが還元されます。

投稿者

TomYum君
TomYum君
9
10616
名前はトムヤムクン(TomYumGoong)と読みます.仕事で数学を使う電子・情報系人間.塾講師とは違った立場で気楽に,主に中学入試の算数と大学入試の数学の問題を眺めていこうと思っています.

コメント

他の人のコメント

コメントはありません。
読み込み中...
読み込み中