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有名角ではないcosの和を求めてみた!

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初めに

今回は、私が初めて作問したときに思いついた、次のような和について書いていきます。
$$ \cos{\frac{1}{2m+1}}\pi+\cos{\frac{3}{2m+1}}\pi+\cdots\!\cdots+\cos{\frac{2m-1}{2m+1}}\pi \:\:\: (m \in \mathbb{N})$$
では、私の想定解を順を追って解説していきます!

Step1 $\cos n\theta$$\cos\theta$で表現する。

ここでは、いわゆる「n倍角の公式」を導出していきます。

$f_n(x)$の存在を示そう!

次の関係式を満たす整数係数のn次多項式$f_n(x)$,n-1次多項式$g_n(x)が存在する。$
$$ \begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} \cos n\theta=f_n(\cos\theta) \\ \sin n\theta=g_n(\cos\theta)\sin\theta \end{array} \right. \end{eqnarray} $$

数学的帰納法を用いて示す。

$n=1$のとき
  このとき$ \:\:\:\:f_1(x)=x,g_n(x)=1$とおけば成立が示される。

$n=k$のときの成立を仮定する。
  すなわち、
$$ \begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} \cos n\theta=f_n(\cos\theta) \\ \sin n\theta=g_n(\cos\theta)\sin\theta \end{array} \right. \end{eqnarray} \\ $$
$;;;;$を満たす$f_k(x),g_k(x)$が存在することを仮定している。
  ここで、次の2式を考える。
$$ \begin{eqnarray*} \cos (k+1)\theta&=&\cos k\theta\cos\theta-\sin k\theta\sin\theta \\ &=&f_k(\cos\theta)\cos\theta+g_k(\cos\theta)\cos^2\theta-g_k(\cos\theta) \cdots① \\ \sin(k+1)\theta&=&\sin k\theta\cos\theta+\cos k\theta\sin\theta \\ &=&\{f_k(\cos\theta)+g_k(\cos\theta)\cos\theta\}\sin\theta \cdots② \\ \end{eqnarray*} $$
$\;\;\;$ ①について、$ xf_k(x),x^2g_k(x)$は共に$k+1$次式、$g_k(x)$$k-1$次式である。
$\;\;\;\;$また、②について、$f_k(x),xg_k(x)$は共に$k$次式である。
$\;\;\;\;$よって、
$$ \begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} f_{k+1}(x)=xf_k(x)+x^2g_k(x)-g_k(x) \\ g_{k+1}(x)=f_k(x)+xg_k(x) \end{array} \right. \end{eqnarray} $$
$\;\;\;\;$とおけば、$n=k+1$での成立が示される。
$\;\;\;\;$以上より全ての自然数において成立が示された。

$f_n(x)$の漸化式を求めよう!

$\cos n\theta=f_n(\cos\theta)$を満たす整数係数のn次多項式$f_n(x)$は、次の漸化式を満たす。
$$ \begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} f_0(x)=1,\:\:f_1(x)=x \\ f_{n+2}(x)=2x\:f_{n+1}(x)-f_n(x) \;(n \geq0) \end{array} \right. \end{eqnarray} $$

次の2式を考える。
$$ \begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} \cos(n+1)\theta=\cos n\theta\cos\theta-\sin n\theta\sin\theta \\ \cos(n-1)\theta=\cos n\theta\cos\theta+\sin n\theta\sin\theta \end{array} \right. \end{eqnarray} $$
$\:\:$辺々を足して、
$$ \:\:\cos(n+1)\theta+\cos(n-1)\theta=2\cos n\theta\cos\theta$$
$\:\:$これより次の等式を得る。
$$ \:\: f_{n+2}(x)=2x\:f_{n+1}(x)-f_n(x) \:\:\:\:(n \geq0)$$

これは「チェビシェフの多項式」と呼ばれる有名な式です。実際にいくつか計算してみましょう。
$ \begin{eqnarray} \:\:\:f_0(x)&=&1 \\ f_1(x)&=&x \\ f_2(x)&=&2x^2-1 \\ f_3(x)&=&4x^3-3x \\ f_4(x)&=&8x^4-8x^2+1 \\ f_5(x)&=&16x^5-20x^3+5 \\ f_6(x)&=&32x^6-48x^4+18x^2-1 \end{eqnarray}$
こんな感じになっていきます!

Step2 和を求めてみよう!

では、Step1で求めたことを使って、実際に計算していきましょう!

次の和を求めよ。
$$\cos{\frac{1}{2m+1}}\pi+\cos{\frac{3}{2m+1}}\pi+\cdots\!\cdots+\cos{\frac{2m-1}{2m+1}}\pi$$

解答
$\varphi=\frac{1}{2m+1}\pi,\frac{3}{2m+1}\pi,\cdots\!\cdots,\frac{2m-1}{2m+1}\pi$とおく。
このとき、全ての$\varphi$について、次が成り立つ。
$$(2m+1)\varphi=(2u-1)\pi \:\:(u=1,2,\cdots,m)$$
これより、次も成立する。
$$\cos m\varphi=-\cos(m+1)\varphi \cdots③$$
ここで、$x=\cos\varphiとおき、$③をStep1で考えた多項式を用いて表すと、次のようになる。
$$f_{m+1}(x)+f_m(x)=0 \cdots③'$$
ここで、$f_m(x)$の最高次の項の係数$a_m$を考える。
$f_{m+2}(x)=2xf_{m+1}(x)-f_m(x)$であるから、$a_{m+2}$$2xf_{m+1}(x)$によって決まる。したがって
$$a_{m+2}=2a_{m+1},\:a_1=1 \:\:\therefore\:\: a_m=2^{m-1}$$
これより、$③'$は次のように表される。
$$2^mx^{m+1}+2^{m-1}x^m+\cdots=0$$
この方程式は、$\varphi=\frac{1}{2m+1}\pi,\frac{3}{2m+1}\pi,\cdots\!\cdots,\frac{2m-1}{2m+1}\pi$$\pi$を解にもつ。
ここで、任意の自然数$s$について、$s$次の項の係数が1であるs次方程式のもつs個の解の総和は、$s-1$字の項の係数に$-1$をかけたものと一致する。$\cdots④$
これより、
$$\cos{\frac{1}{2m+1}}\pi+\cos{\frac{3}{2m+1}}\pi+\cdots\!\cdots+\cos{\frac{2m-1}{2m+1}}\pi+\cos\pi=-\frac{1}{2}$$
したがって、次の式を得る。
$$\cos{\frac{1}{2m+1}}\pi+\cos{\frac{3}{2m+1}}\pi+\cdots\!\cdots+\cos{\frac{2m-1}{2m+1}}\pi=\frac{1}{2}$$

補足 ④について
s次方程式$x^s+b_{s-1}x^{s-1}+b_{s-2}x^{s-2}+\cdots=0$がs個の解$ c_1,c_2,\cdots,c_s $をもつとき、次のように表される。
$$x^s+b_{s-1}x^{s-1}+\cdots=(x-c_1)(x-c_2)\cdots(x-c_s)$$
この式を展開することにより、
$$c_1+c_2+\cdots+c_s=-b_{s-1}$$
が得られる。

以上から、和を求めることができました!1025や4131など、どんな奇数でも成り立つことは私も意外でした。(っ´ω`c)
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!

投稿日:2021527

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