まずは分母の有理化とは、というところからおさらいしましょう。
分母に√の数があるとき、
$$ \frac{1}{ \sqrt{5}} $$
ここでは例として上のような数を与えておきます。
ここで分母分子に$ \sqrt{5} $をかけてあげると、
$$ \frac{1}{ \sqrt{5}}\times\frac{ \sqrt{5}}{ \sqrt{5}}= \frac{ \sqrt{5}}{5} $$
となり分母は有理数となります。
分母が$ \sqrt{5} +1$のときで有理化をします。
$$ (a+b)(a-b)=(a^2-b^2)\cdots\text{①} $$
を利用して、
$$ \frac{1}{ \sqrt{5}+1}\times \frac{ \sqrt{5}−1}{ \sqrt{5}−1}= \frac{ \sqrt{5}−1}{4} $$
となり分母が有理数となれば有理化は完了です。
まずはp,q,nを有理数とし、以下の分数の分母を有理化します。
$$ \frac{1}{ p\sqrt{n}+q} $$
ここでも①を利用してあげると、
$$ \frac{1}{ p\sqrt{n}+q}\times \frac{ p\sqrt{n}-q}{ p\sqrt{n}-q}= \frac{ p\sqrt{n}-q}{p^{2}{n}-q^{2}} $$
となり、
$$
{p^{2}{n}-q^{2}} は有理数であるから、
$$
分母は有理数となり、分母の有理化の一般化(2乗根)ができました。
本日の本題にやっと入ります。
今更なんですが、私がこちらの記事を書く理由といたしましては、
令和2年度東北大後期第1問(1)で以下のような問題が出題され、それを私が一般化してみたいなぁという単なる好奇心からですね(笑)。
$$ (1)次の分数の分母を有理化せよ。 \frac{1}{ \sqrt[3]{4}+\sqrt[3]{2}+1} $$
私はこれを見た時には問題そっちのけで一般化について考えていました。
私がこれから一般化した式を書き上げますので答えが知りたい場合は代入してください(笑)。
では先程と同様に、p,q,r,nを有理数とし、以下の分数の分母を有理化します。
$$
\frac{1}{p\sqrt[3]{n^{2}}+q\sqrt[3]{n}+r}
$$
ここで3乗根を消したいので、①のような式を思い浮かべます。
$$ (a+b)(a^2-ab+b^2)=(a^3+b^3)\cdots\text{②} $$
これを利用することを考えてみます。
②において、
$$
\space\space\space\space\space\space a=p\sqrt[3]{n^2}\space\space,\space\space b=q\sqrt[3]{n}+r
$$
とおくと、
$$ b^3=q^3n+r^3+(3q^2r\sqrt[3]{n^2}+3qr^2\sqrt[3]n) $$
となるので、分母に無理数が残ってしまいます。
ここで無理数を消すように文字を揃えてあげると、
$$ [p\sqrt[3]{n^2}+(q\sqrt[3]{n}+r)][p^2\sqrt[3]{n^4}-(pqn+pr\sqrt[3]{n^2})+(q\sqrt[3]n+r)^2-3qr\sqrt[3]n(q+r)] $$
$$ =p^3n^2+(q^3-3pqr)n+r^3 $$
このように分母が整理できたので、有理化は完了しました。
これまでの過程をわかりやすいようにきちんと式で書いてみました。
$$ \space\space\space\space\frac{1}{p\sqrt[3]{n^2}+(q\sqrt[3]{n}+r)}\times\frac{p^2\sqrt[3]{n^4}-(pqn+pr\sqrt[3]{n^2})+(q\sqrt[3]n+r)^2}{p^2\sqrt[3]{n^4}-(pqn+pr\sqrt[3]{n^2})+(q\sqrt[3]n+r)^2} $$
$$ =\frac{p^2\sqrt[3]{n^4}-(pqn+pr\sqrt[3]{n^2})+(q\sqrt[3]n+r)^2}{p^3n^2+(q\sqrt[3]n+r)^3} $$
$$ =\frac{p^2\sqrt[3]{n^4}-(pqn+pr\sqrt[3]{n^2})+(q\sqrt[3]n+r)^2}{p^3n^2+[q^3n+r^3+(3q^2r\sqrt[3]{n^2}+3qr^2\sqrt[3]n)]} $$
$$ \space\space\space\space\frac {1}{p\sqrt[3]{n^2}+(q\sqrt[3]{n}+r)}\times\frac{p^2\sqrt[3]{n^4}-(pqn+pr\sqrt[3]{n^2})+(q\sqrt[3]n+r)^2-3qr\sqrt[3]n(q+r)}{p^2\sqrt[3]{n^4}-(pqn+pr\sqrt[3]{n^2})+(q\sqrt[3]n+r)^2-3qr\sqrt[3]n(q+r)} $$
$$ =\frac{p^2\sqrt[3]{n^4}-(pqn+pr\sqrt[3]{n^2})+(q\sqrt[3]n+r)^2-3qr\sqrt[3]n(q+r)}{p^3n^2+(q^3-3pqr)n+r^3} $$
$$ =\frac{-pqn+(q^2-pr)\sqrt[3]{n^2}+(np^2-qr)\sqrt[3]n+r^2}{p^3n^2+(q^3-3pqr)n+r^3} $$
$$ p^3n^2+(q^3-3pqr)n+r^3は有理数であるから、 $$
分母は有理数となり、分母の有理化の一般化(3乗根)ができました。
私は、今回の投稿が初めての投稿となるので、文章や数式の配置などいろいろ拙いところがあると思いますが、多めにみてくださると嬉しいです。(この手法は初回しか通用しないので辛いのが本音)
本日の内容はいかがだったでしょうか?もしかしたら今後、大学入試にもでるかもしれませんね(期待)。
これにて私の独り言を終わります。