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選択公理⇔全射なら右逆写像が存在

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選択公理と「全射ならば右逆写像が存在」の同値性を示します.

次は同値である.

  1. 選択公理
  2. 任意の全射$f:X\to Y$に対し,ある写像$g:Y\to X$が存在して$f\circ g=\mathrm{id}_Y$を満たす.
1$\Longrightarrow$2

$f:X\to Y$を全射とする.このとき,任意の$y\in Y$に対し$f^{-1}(\{y\})$は空でない.ゆえに,選択公理より$\prod_{y\in Y}f^{-1}(\{y\})$も空でないので,その元$g:Y\to X$がとれる.任意の$y\in Y$に対し$g(y)\in f^{-1}(\{y\})$であるから$(f\circ g)(y)=y$を満たす.よって$f\circ g=\mathrm{id}_Y$である.

2$\Longrightarrow$1

$(X_\lambda)_{\lambda\in\Lambda}$を空でない集合からなる族とする.$Y=\bigcup_{\lambda\in\Lambda}X_\lambda,A=\bigcup_{\lambda\in\Lambda}(\{\lambda\}\times X_\lambda)$とおくと,$X_\lambda$が空でないことから,第一射影$p_1:\Lambda\times Y\to\Lambda$の制限$p_1|_A:A\to\Lambda$は全射である.よって,ある$\varphi:\Lambda\to A$が存在して$p_1\circ \varphi=\mathrm{id}_\Lambda$を満たす.$p_2:\Lambda\times Y\to Y$を第二射影,$i:A\to\Lambda\times Y$を包含写像として$h=p_2\circ i\circ\varphi$とおく.このとき,任意の$\lambda\in\Lambda$に対し$h(\lambda)\in X_\lambda$であるから$h\in\prod_{\lambda\in\Lambda}X_\lambda$である.

投稿日:2021618

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