4
大学数学基礎解説
文献あり

1+1=1?

1882
0
$$$$

小学生が教室で話しています。

$1+1$は?」

$2$

「ブー!$1$でしたー!$2$つの泥団子を$1$つにしたら$1$でーす!」

今回のテーマはこれです。

これが正しいのかを検証していきます。

1+1=1?

結論を言うと、$1+1=2$です。
しかし、これは自然界が決めたルールにすぎません。

ルールはそう!作るものです。

以下の条件を満たす性質を持つ演算をと呼びます。

$演算 f:G×G→G$に対し

  1. 結合法則が成り立つ
    $∀a,b,c \in G s.t. f(f(a,b),c) = f(a,f(b,c))$
    $例:(a+b)+c = a+(b+c)$
    $例:(a*b)*c = a*(b*c)$

  2. 単位元が存在する
    $∀a \in G, a・e = e・a = a$が成り立つ時、
    $e \in G$は単位元
    $例:∀x \in \mathbb{C}, x+0=0+x=x ∴0は+において単位元$
    $例:∀x \in \mathbb{C}, x*1=1*x=x ∴1は*において単位元$

  3. 逆元が存在する
    $e:単位元 \in G,∀a \in G, a・b = b・a = e$が成り立つ時、$b \in G$は逆元
    $例:∀x \in \mathbb{C}, x+(-x)=(-x)+x=0 ∴+において-xはxの逆元$
    $例:∀x \in \mathbb{C},x≠0, x*x^{-1}=x^{-1}*x=1 ∴*においてx^{-1}はxの逆元$

ここで話を戻します。

$1+1=1$ということは、$1$が単位元ということになります。
つまり、この小学生は$1$を単位元として$+$を再定義した。もしくは、$×$と勘違いしたということになります。

前者の$+$は使い道がないので、個人的には後者だと思います。

単位元を1として再定義する場合

$1$$+$の単位元とすると、$1+1=1$となります。

じゃあ$0$は?

その子の考え方で言うと、$0$個の泥団子は混ぜられないので、

$1+0=1$となりそうです。

しかし、待ってください。

先ほど、単位元は$1$と定義しましたが、このままだと$0$も単位元となり、単位元が$2$つ存在するということになります。

群では単位元は一つです。

$∀e, e' \in Gを単位元とすると$
$∀a \in G, a・e = e・a = a ①$
$また、a・e' = e'・a = a ②$
$①,②$より、
$a・e = a・e'$
左から$a^{-1}$を演算すると
$e = e'$

よって、$1+0=1$は間違いです。

この子の$+$の定義を知りたい。

+を×にするとうまくいく

$+$$×$にするとうまくいきます。

$1×1=1$

この子は、$2$つの泥団子を合体させています。

例えば、赤色の泥団子に、黄色の泥団子と青色の泥団子のどちらか$1$つをくっつけることを考えます。

混ぜると、オレンジ色の泥団子か、紫色の泥団子になり、$2$通りとなります。

つまり、$1×2=2$です。

また、赤色の泥団子と黄色の泥団子のどちらか一つと、青色の泥団子と黒色の泥団子のどちらか一つを混ぜると、組み合わせは

$$赤ー青$$
$$黄ー黒$$
$$赤ー青$$
$$黄ー黒$$

となり、$2×2=4$となります。

もし、泥団子が$0$個の場合は、くっつけることができないので$0$になります。

また、$4$つ合体させて$1$つにする場合は$1×1×1×1=1$となり、つじつまが合います。

この子が言っているのはこういうことじゃないでしょうか!

違いますね。はい。

3+5=35?

小学生が教室で話しています。

「じゃあ$3+5$は?」

$8$

「ブー!$35$でしたー!」

次はこれを考えていきます。

3+5=35となる世界線

まずは、次のように考えます。

$$f:G×G→G$$
$$ (a,b) \mapsto aとbを繋げたもの$$
(abと書くとa×bとまぎらわしいので変えてます。)

例えば、$f(1,2) = 12、f(3,5)=35、f(f(1,6),8)=168$

結合法則は成り立ちますが、単位元、逆元がないので群ではありません。

プログラミングの世界では3+5=35

ちなみにJavaなど、プログラミングの世界ではStringという型があります。

プログラミングでは、変数に型を指定する必要があります。

例えば、intを指定すると、その変数には整数が入ります。

int a = 7;

int b = -10;

とすると、aに7、bに-10が代入されます。

演算子がintの場合は

a + b = -3

となります。

一方、Stringを指定すると文字列が入ります。

String c = "おはよい"

String d = "laghing dog"

とすると、cに「おはよい」、dに「laghing dog」という文字が代入されます。

さらに、$+$も定義されていて、StringとStringを足すと、文字列を繋げることができ

c + d = "おはよいlaghing dog"

となります。

なので、もし3と5が文字列の場合、"3"+"5"="35"となります。
(""は文字列ということを強調しているので無視してもよいです。)

よって、この小学生はプログラミングのStringの概念を理解しているということになります!

ちなみにStringは""(空文字)が単位元ですが、逆元がないので群ではありません。

まとめ

$$・「1+1=1」は「1×1=1」のこと$$
$$・「3+5=35」はString型$$
$$・まったく、小学生は最高だぜ!!$$

参考文献

投稿日:2021619

この記事を高評価した人

高評価したユーザはいません

この記事に送られたバッジ

バッジはありません。

投稿者

あーく
あーく
104
140559
使える数学、面白い数学の分かりやすい解説を心がけています。

コメント

他の人のコメント

コメントはありません。
読み込み中...
読み込み中