はじめに
はじめまして、ねりまだいこんといいます。Mathlogにはじめて投稿します。よろしくお願いします。
の約数の個数を返してくれる関数は
約数関数
と呼ばれています。もしも、この関数をマクローリン展開できたら・・・ということで、いろいろと考えてみました。
準備
自然数を固定したとき、以外の任意の自然数について、
がなりたつ関数を考えます。が自然数以外のときは、どんな値でも構いません。これを用いて、
と定義すれば、は自然数においてに一致します。このような関数はいくらでも存在するわけですが、今回は
を選びます。
これはこんな形をしています。
展開する
が自然数のときに一致する関数は、
と書けることになります。これをについてマクローリン展開します。計算がすごい複雑なので結果だけ書くと、
として
と書けます。ここでの
ディリクレ級数
と呼ばれているものを使うと、
リーマンのゼータ関数
および
ベルヌーイ数
を用いて、
と書けることが知られています。したがって
となります。試しに数学ソフトでで打ち切って計算した結果を図に示します。
図から、、、、が読み取れ、自然数において約数の個数となることが確かめられます。収束が早くはないので、素数の判定などの実用的な用途には使えませんが、円周率やベルヌーイ数を使って約数の個数を計算できるってなんだかロマンを感じませんか。
一般化
さて一般化します。数論的関数のディリクレ級数がであるとき、自然数においてと一致する関数は
となる。