先日、 ダブルエリミネーション 方式のトーナメントに参加する機会がありましたが、これってわかりづらいですよね。初見で理解できる人はなかなかいないと思います。また、試合回数について正確に書いてある記事も少ないので、そのあたりについて考えてみることにしました。
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まず、普通の勝ち残り式トーナメントから考えていきたいと思います。これは馴染み深いので説明不要かと思います。
非常にわかりやすく盛り上がりやすいですが、運の要素が大きく(最初に強い人と当たったら初戦敗退!)、また一度負けるともう大会に参加できないので、わりと理不尽感が強いです。エンターテイメント要素が強く求められる場合、また参加者の日程を確保するのが難しい場合に適しているといえるでしょう。
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1回戦うごとに1人抜けていくのだから、
決勝戦を行うことによって1位と2位は決定できますが、それ未満はベスト4ということまでしか決まっていないので、もし3位を決めたい場合は3位決定戦を行う必要があります。この場合、必要は試合数は
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(引用:
Wikipedia
)
ここからやっとダブルエリミネーションの話に入ります。シングルエリミネーションでは1回負けたらそれっきりだったので運の要素が大きかったですが、それでは理不尽すぎるということで、1回までなら負けてもOK、2回負けたらアウト、ということにしたのがダブルエリミネーション方式になります。1度負けた人は敗者ラウンド(Looser Rround)という別のトーナメントに回れされます。そこでは普通の勝ち抜き(シングルエリミネーション)を行います。その敗者ラウンドで勝ち抜いた敗者チャンピオンが、勝者ラウンドで最後まで残っていた勝者チャンピオンと戦います。
そこまで一発勝負でもなく、かといってリーグ戦よりは順位争いをしている感が出る、合理的な方式かと思われます。ややこしいですけど。
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試合の流れはこんな感じになります。赤く塗ったのがWR(勝者ラウンド)、青く塗ったのがLR(敗者ラウンド)です。WRのチャンピオンとLRのチャンピオンが戦うのがGF(グランドファイナル)です。敗者チャンピオンは既に1回負けているので、ここで負けたら敗退です。しかし勝者チャンピオンは今まで無敗できているので、この試合に負けて敗退するとなると、1回しか負けていないのに敗退することになってしまいます。不公平ですね。なので、勝者側が負けた場合は再戦することができます。このあたりのダブルエリミネーションの複雑なところですね。
試合の流れに着目します。WRとLRの人数が一致してからは、2回の試合を行うとちょうどそれぞれの人数が半分になることがわかります。
という風に整理すると、総試合ステップは
となります。4人だったら4回か5回、8人だったら6回か7回、16人だったら8回か9回です。4人ならもう総当り戦やれよとは思いますが、まあ思考実験です。
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上にも述べた通り、総試合数はGFの展開によって変化します。
LRで負けた時点で順位が決定します。上の16人の例で言えば、
となります。4位までは追加で順位決定線を行わなくても大丈夫です。
ダブルエリミネーションでさえややこしいのに、トリプルなんて! もう総当り戦かスイスドローでいいだろ! と思いますが、一応 実例 はあるようです。この場合はWRとLRの間にもう1つラウンドが必要になります。仮にMR(中間ラウンド)とでも名付けておきましょう。下の表では緑色にしています。
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真面目に見る必要はあまりないと思います。次節の表を見るとわかりやすいですが、敗者チャンピオンと中間チャンピオンの決勝(表ではSFと表記)とGFには3回~5回の試合数が必要です。数字にすると、
となります。4人なら7~9試合、8人なら10~12試合、16人なら13回~15試合です。
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誰か1人を除いて×を埋めるには、最短3回、最長5回の試合が必要です。という訳で総試合数は
6位までは決定されます。
ちょっと一般化してみましょう。総試合数は表から容易に推測されるように、