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積分解説7

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この記事では, 以下の積分を解説しようと思います.


0log(1+x2)coshπx+cosπφdx=2sinπφlogφΓ(φ2)2sinπφ221φπ

(証明)

以下の積分路に沿った, 関数f(z)=log2zcoshπzcosπφの積分を考えます.

積分路1 積分路1

Rとして, 負の実軸に沿った積分は,
+0i+0if(z)dz+0i0if(z)dz=0(logx+iπ)2(logxiπ)2coshπxcosπφdx= 4πi0logxcoshπxcosπφdx= 8i01loglog1xlogπ12xcosπφ+x2dx

ここで, Malmsten's integral ( Wikipedia の5つめの式参照) により 01loglog1x12xcosπφ+x2dx=π2sinπφlog21φπ2φΓ(φ2)2sinπφ2

また, 普通に計算すると 01dx12xcosπφ+x2=π(1φ)2sinπφ となります.

次にImz=±1に沿った積分は,
i+if(z)dz+ii+f(z)dz=log2(x+i)log2(xi)coshπx+cosπφdx= 2ilog(x2+1)arccotxcoshπx+cosπφdx=2πi0log(x2+1)coshπx+cosπφdx
ただし, arccotx+arccot(x)=πを利用しました.

最後に, z=±iφでの留数は,
Resz=±iφf=limz±iφziφcoshπzcosπφlog2z=log2(±iφ)πsinh(±iπφ)
より, これらの和は
Resf=2logφsinπφ

以上より, 求める積分をI(φ)として,

2πiI(φ)+4πisinπφ(log21φπ2φΓ(φ2)2sinπφ2logπ1φ)=4πilogφsinπφ
即ち
0log(1+x2)coshπx+cosπφdx=2sinπφlogφΓ(φ2)2sinπφ221φπ
を得ます.

これの両辺をφで微分してからφ=12とすることで, 以下を得ます.

0log(1+x2)coshπxdx=2log Γ(14)24π0log(1+x2)cosh2πxdx=2π(2γ2log2)0log(1+x2)cosh3πxdx=log Γ(14)24π4π2(1G)0log(1+x2)cosh4πxdx=43π(2γ2log2)23π3(7ζ(3)8)


読んでくださった方, ありがとうございました.

投稿日:202172
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投稿者

東大数理M1

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