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大学入試にたまに出てくるあの数列

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 大学入試(たとえば2015年の東大とか)にたまに出てくる,

\begin{equation} a_{n+2}=\frac{a_{n+1}^2+C}{a_n}\quad(C>0) \end{equation}

という形の数列,見覚えありませんか? 実はこの等式を満たす(初期条件が$a_1=\alpha$, $a_2=\beta$の)数列はより簡単な線形漸化式
\begin{equation} a_{n+2}=pa_{n+1}-a_n\quad (p=\frac{\alpha^2+\beta^2+C}{\alpha\beta}) \end{equation}
で定まる数列であることが分かります.今回はこれを示します.

証明

見つけたモン勝ちなので,数列$(u_n)$
\begin{equation} u_1=\alpha,\,u_2=\beta,\,u_{n+2}=pu_{n+1}-u_n \end{equation}
で定めて等式がなりたつことを言えば OK です.さて$(u_n)$の漸化式を行列表示することで

\begin{equation} \begin{pmatrix} u_{n+2}&u_{n+1}\\ u_{n+1}& u_n \end{pmatrix} =\begin{pmatrix} p&-1\\ 1& 0 \end{pmatrix}^{n-1}\begin{pmatrix} p\beta-\alpha&\beta\\ \beta& \alpha \end{pmatrix} \end{equation}

を得ます.両辺の行列式をとることで
\begin{equation} u_{n+2}u_n=u_{n+1}^2+C \end{equation}
となり,$u_n\not\equiv0$なので$(u_n)$が等式
\begin{equation} u_{n+2}=\frac{u_{n+1}^2+C}{u_n} \end{equation}

を満たすことが分かります.

投稿日:202178

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