Fourier解析には不確定性原理というものが存在します。最も有名なのはHeisenbergの不確定性原理でしょう:
この記事では以下の定義のFourier変換を採用します:
この定理が言わんとしていることは「関数の時間周波数窓の本質的面積は
このような時間周波数的局在性の限界を示す不等式は総じて不確定性原理(Uncertainty Principle)と呼ばれます. なお, 上記は量子力学の不確定性原理と本質的に同一のものです.
今回はそんな不確定性原理の中でも一際ユニークなものを紹介します. 最初に少し抽象的な定義を1つ準備しましょう.
測度空間
を満たすことである.
が成り立つ.
すると,
と書き直せる.
が成り立つ. 故に,
を一先ず得る.
ここで,
と,
今, Lebesgue測度の平行移動不変性とPlancherelの定理から,
が成り立つので, 上の積分順序変更は許可され,
を得る. このことから,
となって, 証明完了.
次が自然に得られます.
参考にした文献ではユニタリーな周波数型のFourier変換を採用しており, この場合の下限は