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環のスペクトラムに関する(小さい)観察

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以下で、「環」とは単位元を持つ可換環である。環$A$に関して、$\mathrm{Spec}\ A$を、$A$の素イデアルの集合とする。すると、環準同型$\varphi\colon A\to B$に対して、写像$\varphi_*\colon\mathrm{Spec}\ B\to \mathrm{Spec}\ A$が定義される。この写像は、以下のように考えられる。

$A$の部分集合$\mathfrak p$素イデアルであるとは、ある整域$R$が存在して、$A\to R$の核になっていることであった。

$B$の素イデアル$\mathfrak P$はある整域$R$への環準同型$f\colon B\to R$の核であった。すると、$f\circ\varphi\colon A\to B\to R$の核は$A$の素イデアル$\mathfrak p=\varphi^{-1}(\mathfrak P)$になる。これは、環準同型$f\colon B\to R$の取り方によらず、写像$\mathfrak P\mapsto\mathfrak p$を定義する。

同じ考え方が、正規部分群の引き戻しなどにも適応できる。しかし、極大イデアルには適応できないので、例えば$\mathbb Z\to\mathbb Q$による極大イデアル$0\subseteq\mathbb Q$の引き戻しは極大ではない。

投稿日:2021821
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jenta
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