今回紹介する式はこちらです:
$$|i!|=\sqrt{\frac{\pi}{\sinh\pi}}$$
以降, $z$は複素数とします.
次の公式を使って比較的簡単に示すことができます.
複素数$z$に対して以下が成り立つ.
$$\Gamma(z)\Gamma(1-z)=\frac{\pi}{\sin\pi z}$$
上記の公式で$z=i$とし, $\Gamma(1+z)=z\Gamma(z)$より,
$$\Gamma(i)\Gamma(1-i)=-i\Gamma(i)\Gamma(-i)=\frac{\pi}{\sin(i\pi)}.$$
$\sin z=-i\sinh(iz)$だから,
$$\Gamma(i)\Gamma(-i)=\frac{\pi}{\sinh\pi}.$$
ここで, 両辺に$i\times (-i)=1$をかけます.
$$ i\Gamma(i)(-i\Gamma(-i))=\frac{\pi}{\sinh\pi}\times 1$$
また, $\overline{\Gamma(z)}=\Gamma(\overline{z})$ ($\overline{z}$:複素共役)より,
$$ i\Gamma(i)(-i\Gamma(-i))=i\Gamma(i)\overline{i\Gamma(i)}=|i\Gamma(i)|^2=\frac{\pi}{\sinh \pi}.$$
右辺は正なので,
$$|i\Gamma(i)|=\sqrt{\frac{\pi}{\sinh \pi}}.$$
よって,
$$\boldsymbol{|i!|=\sqrt{\frac{\pi}{\sinh\pi}}.}$$
オイラーの公式を使います.
複素数$z$に対して以下が成り立つ.
$$\cos z+i\sin z=e^{iz}$$
上記の式そのままから, 両辺の共役をとったものを辺々引きます. すると,
$$ 2i\sin z=e^{iz}-e^{-iz}$$
となります.
あとは$\displaystyle\sinh z=\frac{e^{z}-e^{-z}}{2}$に従って,
$$\sin z=-i\sinh(iz)$$
が得られます.
実はこの記事を大規模手直しする前は$\Gamma(z+1)=z\Gamma(z)$を使って示していましたが, 両辺が無限に長くなって心配だったので, 別の方法にしました.
$\Gamma(z)$ を別の形で表示すればよさそうです. $z$の簡単な計算規則を使った式なら何でもよいのですが, 今回は極限の定義の式を使います.
複素数$z$に対して,
$$\Gamma(z)=\lim_{n\to\infty}\frac{n^zn!}{\prod_{k=0}^n(z+k)}.$$
$\overline{n^z}=n^{\overline{z}}$であるので$\overline{\Gamma(z)}=\Gamma(\overline{z})$は自明です.