この記事では、先月発売された書籍「数学クラスタが集まって本気で大喜利してみた」の73ページにのっている次の式について解説します。
「数学クラスタが集まって本気で大喜利してみた」p.73
次の級数を求めよ。
ただし
記事の中に「@apu_yokai」とありますように、実はこの記事の元ネタになったのが私のツイートでした!
元になっているツイートはこちらです。
この式の答えはな〜んだ? pic.twitter.com/qCAuZHXLLB
— apu (@apu_yokai) April 17, 2020
書籍には証明はのっていませんので、この記事で証明方法をご紹介します。
なお、
ということです。
この式は、書籍の中で「答えが
それでは、この級数が
まず次の補題を考えます。
補題で
次に左辺を変形すると、
とできます。
元の式の最右辺と合わせて
さらに変形していくと、
これで完成です!
ここで終わってもいいのですが、せっかくなので部分和がどうなるかも考えてみましょう。
補題の証明を途中でとめると
左辺は先ほどと同様の変形により
とできるので、
さらに変形していくと
いい感じの式ができました!
部分和の式を無限にとばすことでも級数和が得られます。
この級数を少し変形した次のような級数は "Millin 級数" と呼ばれています。
実は、この級数はMillerさんが見つけたので本当はMiller series と呼ぶべきなんですが、なぜかMillin seriesと呼ばれるようになったうえ、本人が面白がって訂正しなかったそうです。
Millin series と呼ばれているフィボナッチ数の逆数の級数はMillerさんが見つけたので本当はMiller series と呼ぶべきなんだけど、なぜかMillin seriesと呼ばれるようになったうえ、本人が面白がって訂正しなかったそうな🙂 https://t.co/GkI056ghXO
— apu (@apu_yokai) December 22, 2020
というわけで、当初の式は Millin級数を変形して作ったものだったのでした。
パッと見では
こんな風にオリジナルの級数を作るのは楽しいので、みなさんもいろいろ遊んでみてほしいと思います。
面白い級数ができたらぜひ教えてくださいね。
それでは~