この記事では, 以下の問題の解説をしようと思います.
〜の数を無作為に並べた時, 大小大小...の順(例えば"51423"等)に並ぶ確率をとする.
を求めよ.
漸化式を立てる
まずは, 漸化式を立てます. このような並べ方の場合の数をとおきます.
ここで, のとき, 小大小大...の順に並べる方法も同じくであることに注意します.(これは各位の数をから引けばすぐにわかります.)
個の数の並びであって, 「大小大小...」または「小大小大...」となっているものについて考えます. この並びの番目がであるとしましょう. すると, から左向きに見ていくと, 大小大小...の順で文字が並んでいて, 同様に右向きに見ていけば, 大小大小...の順で文字が並んでいます.
これを踏まえれば, に対して, 番目にを置き, それより左に入る数を通りの中から選んで通りで並べ, 同様に右に入る数を通りで並べれば, 通りの並べ方が再現できることが分かります. (但し, 便宜的にとします.)
従って,
が, で成り立つことが分かりました. これにを代入して,
を得ます.
母関数を利用する
とおきます.
まず,
さらに,
となります.
これら2式の全ての係数が等しいので...としたいところなのですが, 例の等式はでしか成立せず, 具体的にはのときは右辺にが必要になります.(つまり, 定数項のみが必要になります.) 従って, 係数を比べて,
が成り立ちます.
微分方程式を解く
これは基本的な微分方程式になりますね. の解ですから, 変数分離してのようになります. さらにですからも求まって,
となります.
極限を求める
の原点から最も近い特異点はですから, このTaylor展開の収束半径はとなります. 従って,
です.
ここまで読んでくださった方, ありがとうございました.