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Γ関数とζ関数の関係式を一つ紹介

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今回は$\displaystyle \int_0^{\infty} \frac{x^{s-1}}{e^x-1}dx$について考えてみたいと思います。
$s=4$を代入した積分値はPlanckの輻射式からStefan-Boltzmann定数を導く際に使われます。

まず初めに$\Gamma$関数とRiemannの$\zeta$関数の定義を紹介します。

$\Gamma$関数

$Re(s)>0$となる複素数$s$について$\Gamma(s):= \displaystyle \int_0^{\infty} e^{-t}t^{s-1}dt$

$\zeta$関数

$Re(s)>0$となる複素数$s$について$\zeta(s):= \displaystyle \sum_{n=1}^{\infty} \frac{1}{n^s}$

今回考えている積分をこれらを用いて表してみます。

$\zeta$$\Gamma$の積

$Re(s)>1となる複素数sについて\displaystyle \int_0^{\infty} \frac{x^{s-1}}{e^x-1}dx= \Gamma(s)\zeta(s)$
この式から$\zeta(s)=\displaystyle \frac{1}{\Gamma(s)}\int_0^{\infty} \frac{x^{s-1}}{e^x-1}dx$となり、これは$\zeta$の定義式でもあります。

&&&prf
$\begin{align*} \displaystyle \int_0^{\infty} \frac{x^{s-1}}{e^x-1}dx &=\displaystyle \int_0^{\infty} \frac{x^{s-1}e^{-x}}{1-e^{-x}}dx\\ &=\displaystyle \int_{0}^{\infty}x^{s-1}e^{-x} \sum_{k=0}^{\infty}e^{-kx}dx\\ &=\displaystyle \int_{0}^{\infty} \sum_{k=1}^{\infty}e^{-kx}x^{s-1}dx\\ &=\displaystyle \sum_{k=1}^{\infty} \int_{0}^{\infty}e^{-kx}x^{s-1}dx\\ &=\displaystyle \sum_{k=1}^{\infty} \int_{0}^{\infty}e^{-y}\bigg(\frac{y}{k}\bigg)^{s-1}\frac{dy}{k}\\ &=\displaystyle \sum_{k=1}^{\infty} \frac{1}{k^s} \int_{0}^{\infty}e^{-y}y^{s-1}dy \\ &=\displaystyle \sum_{k=1}^{\infty} \frac{1}{k^s} \Gamma(s)\\ &=\Gamma(s)\zeta(s)     (証明終) \end{align*}$

最後に

本来ならば$\zeta(s)=$の形で書いた方がいいと思いますが、最初に述べたようにStefan-Boltzmann定数の導出という点に重きを置きたかったので以上のような変な記述をしました。

投稿日:2020118
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