戯れに.
PAIP(参考文献参照)(参考文献をciteする方法がよくわかりませんでした)の該当箇所の過去のノートの抜粋です.に馴染みのある人にとっては「それはそう」という類のものかもしれませんが,諸々の無限組み合わせ論的原理に対する見方を変えるきっかけとなった内容なのでこれを選びました.使用例とした正則基数の後続基数におけるSouslin木の構成法は標準的だと思います(例えばJech本はこのようにしていたはず).
構成
は正則不可算基数,は定常とする.を仮定しを-列(つまり,かつ,は定常)とする.を濃度の語彙の一般形とする.即ち,各は-項記号(記法の簡単のため関係記号のみを扱う)とする.各について,-構造を定める.そのために次のような for を選ぶ.
- は単写,ここではの項数
- ならば.
におけるの解釈を以下で定める.
これで-構造の列が得られた.
性質
を濃度の語彙の構造でを台集合とするものとする.であるとしてよいから各は縮約して-構造とみなせる.についてでを台集合とするの部分モデルを表す.
次の連言を満たすは定常に存在する.
(a) .
(b) .
は正則不可算かつだからはclubである.よって主張は(a)を満たすが定常に存在することから従う.
同じ理由ですべてのについてはclubである.とする.明らかにについて
なので,各について
となる.
の定義よりは定常であるから,は定常である.ならば(1)よりとなる.
一項述語だけからなる語彙を考えれば,上記を満たすから逆に-列を得ることができる.従ってはの存在と同値である.他に,`function form'の-列なども容易に得ることができる.この確認方法より,列の近似する部分集合や関数の数,及び関数の項数などは適当に(主にの範囲で)増やしてよい.
使用例
以上を用いれば,典型的議論の非本質的な部分を幾らか省略することができる.
は正則基数,とし,を仮定する.このとき,-Souslin木が存在する.
に関する帰納法で目的の木のレベル を構成する.に含まれる節は(ここでである)の下から順に選ぶことにすればの節全体は自動的にとなるので,どのような(木の)順序をつけるかのみを記述する.
のとき,各に対して二つの後続節を付け加える.
が極限で,かつであるとき,の各共終枝に対してを,すべてのについてとなるように付け加える.
が極限で,かつであるとき.ここでによるを用いる.は一つの一項関係と一つの二項関係の構造とし,における一項関係の解釈をとする.がの極大反鎖であるならば,をにおいてが有界な極大反鎖となるように定める.帰納的な議論よりこのようにすることができる.がの極大反鎖でないならば,各についてをとなるの共終枝を(再び帰納的に議論して)選び,各に対してを,すべてのについてとなるように付け加える.
これでが得られた.構成よりは,すべての節が両立しない二つの拡大を持つような-木である.(=)をの任意の極大反鎖とする.命題1より, が存在してとなる.となるはclubに存在するのでとしてよい.初等性よりはの極大反鎖となるから,構成よりはの有界極大反鎖であり,極大性よりとなる.よっては濃度の反鎖を持たない.