この記事では, 受験数学でありがちな, さいころの目の積について考えていこうと思います.
素因数としてありえるものはしかありませんから, これらをとおきましょう. (←これが何言ってるか分からなくてもしばし我慢してみてください) そして, 以下のような式を考えます.
これを展開することを考えると, 乗の展開というのは, この項のうちからどれかを選らんで掛け合わせるのを回繰り返すのですから, 場合の数の計算と同等になります.
つまり, 例えば積がになる場合の数はこれのの係数ですし, 積がになる場合の数はの係数に等しくなります!
積が偶数になる確率
まずは積が偶数になる確率を求めてみましょう. これは簡単で, がつ以上含まれているものの係数の和を求めれば良いのですから, 逆に全体から, に関する定数項を引けば良いです. 従って, (係数を求めるためににはを代入します)
が場合の数であり, 確率はとなります.
積がの倍数になる確率
これは問題集とかでは頻出でしょうか. 普通なら並べ方とかを考えるのですが, この考え方を使うともっと楽に解くことができます!
今度はの定数項と, の係数を全体から引けば良いのですが, ここで「微分してとするとの係数のみが出てくる」ことを利用します!ついでに毎回とするのも面倒なのでとおいて,
が場合の数であり, 確率はとなります.
積がの倍数になる確率
これは真面目にやると計算が激しすぎるでしょうね. 今度はの係数は, 階微分でとしたものの倍であることに注意して,
より, 確率はとなります.
積がの倍数になる確率
これは昔, 東大で出たのでしたっけ. 以上の係数を求めれば良いですね. これにはまずからに関する定数項を除いたものをとした上で, の定数項との係数を除いて,
なので, 確率はとなります.
積がの倍数になる確率
いよいよ本題です. 以上の係数を求めれば良いですね. それぞれに関する定数項を引いてあげれば良いのですが, それだと引きすぎなのでとしたものをその分足してあげて...と, 包除原理みたいにしてやれば良いです. 即ち
なので, 確率はとなります.
ここまで読んでくださった方, ありがとうございました. こういう風にあえて変数にして母関数をとると, 代入や微分によって面白い結果を得られることがあります.
この方法を利用すると, 例えば目の数字が「」である四面体のさいころを回振って, 目の積がでちょうど回割れる確率は, とかも簡単にわかりますね.
興味のある方は
私の過去の記事
もご覧ください. 同じような手法で解ける問題をもうひとつ紹介しています.