こんにちは,ろがりずむです.
今日は,複素函数が正則であるというのと,解析的であるという,二つのことについてかんがえてみたいと思います.
最近の複素解析という本では,大体正則函数と解析函数は全く同一のものとみなされているようですね(これは偏見があります).然し本来,正則性と解析性は全く別の概念であることに注意しなければなりません!!
まず,函数が正則であるというのは,(雰囲気は)複素微分可能であるということです.極めて自然ですね.
次に函数が解析的であるというのは,(これも雰囲気は)テイラー展開可能であるということです.これは,何か狐につままれたような印象を受けるかもしれませんね.
次からが重要です.実函数(実変数の函数)の場合,微分可能であってもテイラー展開できない函数が存在しましたよね.しかしもちろんその逆は成り立ちます.従って
$$\text{微分可能} \nRightarrow \text{テイラー展開可能}$$
ですが,
$$\text{テイラー展開可能} \Rightarrow \text{微分可能}$$
は成り立つわけです.
然し!!!!!!! 複素函数の場合は,何とこれが同値になるのです!!!
$$\text{テイラー展開可能} \Leftrightarrow \text{微分可能}$$
↑こんな風に.これは凄いことですね!
では本題に戻りましょう.正則性と解析性は,本来,全く違う概念でした.だって微分可能性とテイラー展開可能性の話なので,それらは全く別の概念でしょう.でも複素函数の場合はそれらが(局所的には)同一のものとなります.
本来,今の様に,複素函数の正則性と解析性は捉えられるべきなのです!!(と思います.)
このへんにしたいと思います.ありがとうございました.